政府は18日、首相官邸で犯罪対策閣僚会議を開き、SNS上で有名人になりすました広告詐欺への対策を含めた「国民を詐欺から守るための総合対策」を決定した。
プラットフォーマーなどと呼ばれるSNS事業者に広告の事前審査の強化を要請することなどが柱で、広告主の本人確認強化や詐欺広告の削除要請への適切で迅速な対応などを盛り込んでいる。また、ロマンス詐欺やフィッシング詐欺への対策も盛り込んだ。
SNS投資広告詐欺対策については、SNS事業者に対し、広告の事前審査基準を策定し公表することを要請し、審査体制の整備を求めた。さらにクローズドチャットを遷移先にした広告を原則掲載しないよう要請している。
さらに、広告削除の要請に対応する体制の整備と、削除に関するプロセスの公表などの迅速な対応を求め、メタ社などの海外プラットフォーマーを中心に、日本語や日本文化を理解する人材の十分な配置を要請した。有名人なりすましについても、通報を受けたり自主的な検知によって、広告・投稿の削除やアカウント凍結などの措置を速やかに講じるよう、総務省などが、事業者に働きかけることとしている。
またロマンス詐欺については、マッチングアプリアカウント開設時の本人確認の強化等、フィッシング詐欺についてはフィッシングメールが届かない環境の整備など、フィッシングサイトの閉鎖促進などを盛り込んだ。
会議で岸田首相は「近年、SNSやマッチングアプリを通じたやりとりで、相手を信頼させ投資等の名目で金銭を騙し取るSNS型投資詐欺、SNS型ロマンス詐欺が急増している。著名人になりすました偽広告によって被害者を誘い込む手口も広く見られ社会的な問題となっている」と指摘した。
その上で「国民の大切な財産を守り抜くため、また安心して投資できる環境を確保するとともに国民生活に不可欠なツールとなっているSNSやキャッシュレス決済などの健全性、信頼性を確保するため、政府として初めて詐欺全般に特化した総合対策を取りまとめた」と意義を強調し、関係閣僚らに対し「国民を詐欺から守るため、民間事業者に社会的責任を果たしていただくよう強く働きかけることを含め、強い決意を持って本対策に基づく取り組みを徹底するように」と指示した。
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