世耕弘成・近畿大理事長の辞任を求める署名活動について記者会見で説明する近畿大の阪本洋三教授(左)ら=大阪府庁で2024年6月20日、露木陽介撮影

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で離党した世耕弘成・前党参院幹事長が理事長を務める近畿大学(東大阪市)の教職員有志は20日、世耕氏の理事長職辞任を求めるオンライン署名が5万3851筆集まったと明らかにした。大学側は署名の受け取りを拒否しているという。

 世耕氏は5年間で総額1542万円の還流を受けたが、政治資金収支報告書に記載していなかった。教職員有志は世耕氏が近大のトップにとどまっていることについて「大学への不信を招き、教育者としても資質に欠ける」と問題視。3月下旬から5月末まで、辞任を求める署名活動をインターネット上で展開していた。一方、世耕氏は「政治活動とは関係ない」として理事長職を続投する意向を表明している。

 この日、大阪府庁で記者会見した教職員有志の代表で文芸学部の阪本洋三(ひろみ)教授は「一番大きな問題は、多くの声を理事長側が『受け取らない』と言ったことで、残念かつ遺憾だ」と話した。今後も署名の受け取りと世耕氏の辞任を大学側に求めていくという。近大広報室は「会見は学外で行われたもので関知しておらず、コメントは差し控える」と回答した。【露木陽介】

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