大阪府箕面市の上島一彦市長(65)=地域政党・大阪維新の会所属=が19日の市議会で、2025年大阪・関西万博に関連して批判的な質問をした市議に対し、「万博行くなよ。出入り禁止や」とやじを飛ばしていたことが明らかになった。上島市長は20日、報道陣の取材に「以後は気をつけるが、発言を撤回・謝罪はしない。万博の機運醸成のマイナスになれば申し訳ない」と述べた。
市関係者によると、共産党の名手宏樹市議が一般質問で、万博に子どもを無料招待する府の事業について、会場の安全面への懸念などから市内の子どもたちの参加を取りやめるよう求めたところ、市長が強い口調でやじったという。名手市議は「私が市民の不安の声を代弁したことに対し『出禁』と発言するのは許されない」と反発。市長に発言の撤回と謝罪を求める申し入れをしたという。
無料招待は、府内の4、5歳児と小中高生ら計102万人が対象。学校単位での参加が原則となっている。約8割の学校が参加の意向を示す一方、大阪教職員組合などが事業の中止を申し入れたほか、大阪府交野市長が「学校単位で行く必要はない」と批判するなど反発の声が出ている。
万博を巡っては、大阪維新の吉村洋文代表(府知事)が3月、テレビ番組で批判的なコメントをした出演者を名指しして、会場への出入りを禁止するとの趣旨の発言をした。発言に対し「言論統制だ」といった批判が集まり、撤回・謝罪した経緯がある。
上島市長は府議などを経て20年に大阪維新の公認で初当選した。【中田敦子】
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