原爆に遭ったものの「被爆地域」の外だったため、被爆者と認められていない「被爆体験者」の救済をめぐり、国がまとめた「被爆体験記」の調査結果について、長崎市が国に対して直接、説明を求める考えを明らかにしました。
被爆体験者は、長崎の「被爆地域」の外に放射性物質を含む「黒い雨」等が降った客観的な記録がない、などとして、被爆者と認められていません。
県と長崎市の要望を受け、国が行った調査では「被爆体験記」3744件の中に、雨に関する記述が41件、灰やちりなどの飛散物に関する記述が159件みつかりました。
しかし「記憶の装飾がなされている可能性がある」などという専門家の意見を受け、国は「客観的事実として捉えることはできない」と結論付けました。
市などによりますと、20日に開かれた「長崎原子爆弾被爆者援護強化対策協議会」の会合で、委員から「なぜ信ぴょう性がないのか詳しく聞くべき」などの意見が上がりました。
このため市は20日付けで直接、調査結果について説明するよう国に要望したということです。
一方、県内の医師と歯科医師 約1900人でつくる「県保険医協会」は20日に国に「被爆体験者」を被爆者と認めるよう求める署名活動を開始しました。
本田孝也 会長
「被爆体験者訴訟は9月9日に判決が出る」「判決を待たずして8月9日に岸田首相が長崎に来るので、そこできちっと政治決着をつけて救済をしてほしい」
8月9日には岸田総理が長崎を訪れ、被爆体験者と面会する予定で、その際、署名を手渡したい考えです。
署名用紙は県内の一部の医療機関に設置されます。
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