20日告示された東京都知事選挙には、過去最多の56人が立候補しています。

この都知事選挙の選挙ポスターについて「みだらな画像が貼ってある。直ちに剥がすべきだ」といった苦情や「1つの掲示板に同じポスターが何枚も貼られているはなぜか」といった疑問の声が、都の選挙管理委員会に電話やメールで相次いで寄せられているということです。

こうした苦情や疑問、それに問い合わせの数は対応した職員への聞き取りなどから、20日から21日午前までですでに1000件以上にのぼっているということです。

このうち全裸に近い女性の画像が載ったポスターについては、警視庁が掲示板に貼った候補者に対し、都の迷惑防止条例違反にあたるとして、20日、警告を行っています。

都選挙管理委員会の担当者は「電話は鳴りやまない状況だ。ポスターの内容は公職選挙法上では規制されておらず、そのほかの法律に基づいて警察が判断することを説明し、理解を求めている」と話していました。

林官房長官「掲示場は候補者以外使用できず」

東京都知事選挙で、同一の選挙ポスターが複数、掲示板に貼られていることに関連して林官房長官は記者会見で「掲示場は、候補者以外が使用できるものではない」と述べました。

この中で林官房長官は「選挙運動用ポスターは、候補者が政見を広めるため、公職選挙法により掲示が認められる文書図画の1つであり、掲示場は自身の選挙運動用ポスターを掲示するために設置をされるもので、候補者以外の人が使用できるものではない」と述べました。

その上で「候補者が使用する選挙運動用ポスターの記載内容を直接制限する規定はないが、ほかの候補者の選挙運動を行うことや虚偽事項が公表された場合には公職選挙法の処罰の対象に、また、ほかの法令などに触れる場合には処罰の対象となるもので、捜査機関により判断がなされるものと認識している」と述べました。

また、関連する法律の改正を行う必要性について「記載内容の制限は選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論いただくべきものだ」と述べました。

松本総務相「掲示する権利 売買されるものでない」

松本総務大臣は国会内で記者団に対し「公職選挙法では、候補者のポスターを掲示する権利を売買するものとはされていないと考えている。公職選挙法の処罰対象に該当するかどうかは、捜査機関により判断されるものになると考えている」と述べました。

また政見放送について「公職選挙法で、他人や政党、政治団体の名誉を傷つけることや、品位を損なう言動をしてはならないなどとされている。選挙は民主主義にとって大切な機会で、候補者は政見を訴え、当選して得られる立場により、政見に基づく政治を行うことを目指すものと考えている。有権者には、政見を判断材料にし、自身の将来を託す方を選んでいただきたい」と述べました。

立民 山井国対筆頭副委員長「金もうけなどにつながりかねない」

立憲民主党は21日午後、会合を開き、関係省庁の担当者からヒアリングを行いました。

冒頭、山井国会対策筆頭副委員長は「選挙と直接関係のない人の顔写真や主張が大量に掲示されている状況で、お金もうけなどにつながりかねない」と指摘しました。

出席した警察庁の担当者は「個別の事案についてコメントできないが、法に触れるものがあれば警告し、早期に対応する」などと説明したということです。

また、総務省の担当者はポスターの内容を事前に審査することは「検閲にあたる可能性がある」として、難しいとの認識を示したということです。

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