自民党は16日、派閥の政治資金パーティー裏金事件で離党勧告処分を受けた安倍派幹部の塩谷立元文部科学相が求めた再審査の請求を却下した。森山裕総務会長が岸田文雄首相(党総裁)に報告し、処分が確定した。塩谷氏は再審査請求が認められなければ離党届を提出する考えを示している。同日、記者団に「地元支援者と相談し、最終判断したい」と述べた。

◆「再審査する理由が認められない」

記者団の取材に応じる自民党の塩谷立氏

 塩谷氏の処分が確定したことで、裏金議員に対する党側の手続きは完了した。森山氏は官邸で記者団に「処分で国民の信頼を回復できるほど簡単な話ではないが、政党として一定のけじめをつけた」と語った。  同党は16日の総務会などで協議し、森山氏に対応を一任した。同氏は記者団に再審査請求を却下した理由について、塩谷氏の弁明書や党紀委員会の見解から判断したと説明。「(再審査する)相当の理由が認められない」と語った。  処分を巡り、塩谷氏は12日、「事実誤認の点が多々ある。事実に基づいた公正公平な審査を求めたい」と主張していたが、森山氏は「そういう批判をいただくような審議はしていない」と述べ、手続きに問題はないとの考えを示した。

記者団に離党勧告処分を受けた塩谷立氏の再審請求を受理しないことを明らかにした自民党の森山総務会長

 同党は4日に安倍派、二階派の議員ら計39人の処分を決定。安倍派の座長を務めた塩谷氏は、参院側トップの世耕弘成前参院幹事長とともに、今回の処分で最も重い離党勧告となった。世耕氏は既に離党している。(三輪喜人) 

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