佐藤栄一氏=宇都宮市内で2020年11月1日午前10時47分、撮影

 11月27日の任期満了に伴う宇都宮市長選で、現職の佐藤栄一市長(62)が6選を目指して立候補する方向で検討を進めていることが23日、関係者への取材で判明した。後援会と最終調整しており、まとまり次第、今週中にも会見を開いて立候補を表明する方針だ。初当選時から選挙戦が同日程だった福田富一知事が6選出馬を表明し、「『福田・佐藤』で県都の街づくりをやらせてもらいたい」と佐藤氏の続投を熱望しており、歩調をあわせる構えだ。市長選を巡っては、市出身で元茨城県つくば市副市長の毛塚幹人氏(33)が立候補を表明している。

 佐藤氏はこれまで進退について、「周囲の意見を聞いて判断する」と明言を避けてきた。今後、複数ある後援会で最終的な調整を行い、6選を目指す決定をするとみられる。

 佐藤氏は2004年、宇都宮市長だった福田氏の知事選出馬に伴う市長選に43歳で初当選した。現在5期目で、JR宇都宮駅東口整備に加え、全線新設の次世代型路面電車(LRT)事業に取り組み、昨年8月に開業した。利用客数は好調に伸びて国内外からの視察も多く、注目を集めている。

 市は25年にも同駅西側のLRT軌道建設の特許申請を行う方針で、今後、西側延伸に向け事業が本格化する。同駅西口周辺整備や児童相談所設置など重要事業も控えており、関係者からは続投を望む声が出ている。

 一方、毛塚氏は11日に記者会見を開き、無所属での出馬を表明。佐藤市政を一定程度評価する一方、「市と県の縦割りを超える新たな発想が必要」と指摘し、女性副市長の公募をあげ、市民との対話を重ねて具体的な政策を作るとしている。【松沢真美】

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