拉致問題相を兼ねる林芳正官房長官は27日、オンラインで開いた北朝鮮による拉致問題に関する国連のシンポジウムで講演した。問題の解決に向けた日本と北朝鮮の関係について「一瞬たりとも無駄にせず、今こそ大胆に現状を変えていかなければならない」と訴えた。

「拉致被害者の方々とご家族の皆さまが高齢となるなか時間的制約がある拉致問題はひとときもゆるがせにできない人道問題だ」と強調した。「家族はもとより国民のあいだに差し迫った思いが強まっている」と述べた。

岸田文雄首相は5月の集会で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記との会談に意欲を示した。林氏は「日朝双方のため、ともに決断することを呼びかけ続ける」と語った。

シンポジウムは日本と米国、欧州連合(EU)、韓国、オーストラリアが共催した。4月の日米首脳会談や6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)などで各国の首脳から理解と協力の支持を得た。

林氏は「問題の解決には国際社会との緊密な連携が不可欠だ」と唱えた。

4月に来日して拉致被害者家族と面会したトーマスグリーンフィールド米国連大使らが参加した。拉致被害者家族らも出席した。

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