長崎県の大石賢吾知事は28日、県議会の一般質問で訂正する方針を示していた後援会の政治資金収支報告書について、答弁で述べた6月中にはできなくなったと各会派の代表者らに報告した。大石知事は報道陣の取材に、「承認なく多額の出金がなされ、監査業務を行っていた者に渡った可能性があることが発覚した」と述べたが具体的な事実関係は説明しなかった。
大石知事は、報道陣に「多額とはどの程度の額か」「監査をしていた者とは個人か会社か」「発覚はいつか」などと問われ、そのたびに「しっかりと確認したうえで改めてお話させていただきたい」などと繰り返した。
大石知事は「多額の出金」について、「詐欺罪にあたる可能性も含め、被害届の提出や刑事告訴も視野に確認を進めている」とも述べたが、誰をどこに訴えるのかなど具体的な説明も避けた。
大石知事は24日の一般質問で、初当選した知事選が行われた2022年の政治資金収支報告書に記載された県議からの借入金286万円について政治倫理上の問題を指摘され、6月中に収支報告書を訂正する方針だと答弁していた。この時点で、自身が出金の問題を把握していたかどうかについても、「いったん整理させていただければと思います」と明言しなかった。
今回の収支報告書訂正の問題とは別に、22年の知事選をめぐっては、大石知事や出納責任者らに対し、公職選挙法違反(買収)容疑で元検事らが長崎地検に告発状を提出している。(寿柳聡)
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