こちらも特別インタビュー
都知事選をこう楽しむ! 芸人・山本期日前さんが言いたい放題「政見放送でふざけても、むしろスベってる」
◆「有権者の選択肢が増えるのはいいこと」
—過去最多の56人が立候補した。都知事選候補者の街頭演説を取材する畠山理仁さん=練馬区で(佐藤裕介撮影)
「(顔出しNGの)ひまそらあかね氏と(衆院東京15区補選を巡る公職選挙法違反事件で勾留中の)黒川敦彦氏以外は、全員自分の目で見てきた。候補者が増えれば有権者の視野も選択肢も広がる。候補者に抱く好悪の感情も判断材料になるから、基本的には歓迎すべきことだ。有権者が『多すぎて選べない』と嘆くのは怠慢だと思う。有権者が候補者を比較検討してよりマシな候補に投票することで民主主義は守れる。有権者がしっかりしていれば『乱立』を恐れる必要はない」 —政治団体「NHKから国民を守る党(NHK党)」(立花孝志党首)は公認19人を含む24人もの候補者を擁立し、党への寄付者に選挙ポスター掲示場のスペースを使わせるという、事実上の売買行為をおこなっている。 「選挙には当選者を選ぶという大切な機能がある。それを考えれば、一つの政治団体が定数1の選挙に19人もの候補者を立てることは理解しがたい。一方で、他人が立候補する権利を侵害してはいけない。もし、自分が選挙に出たいと思った時に『お前のような者は出るな』と言われたらどう思うか」 「(事実上の売買行為については)公選法は、公職を目指す人がそんなことをやるとは想定していない。だから、今までは制限する規定がなかった。(NHK党は)選挙制度の穴をついてくるが、多数の共感を得られていない。制度の不備を指摘することは大切だが、公の立場に立とうとする人として、実質的な販売を行うことは適切なのか。むしろ、これまで自由度があった選挙をどんどん不自由にものに規制する世論を後押ししている。」 「それとは別に、ポスター掲示場が今のままでいいのかという問題は確かにある。本当に1万4000か所に設置する必要があるのか。今回は候補者が多くなり、ポスターを掲示する枠がない候補者が出たのは大問題。韓国では、立候補届をしてからポスター掲示まで5日間くらいある。その間は選管が候補者からポスターを預かり、掲示場の設置と同時に一括掲載するのが公平だと思う」 —候補者の乱立を防ぐために供託金を増額すべきだという議論も再燃している。 「日本は今でも世界で一番供託金が高い国で、知事選には300万円が必要。フランスでも昔は供託金制度があったが、立候補は権利なのにお金を取るのはおかしいと批判が出て廃止された。米国にもない。乱立を防ぐために、例えば何百人かの推薦署名を集めれば供託金を納めなくてもいいという制度をとる国もある。海外の制度に学べば供託金を増額する必要はない」都知事選候補者の街頭演説を取材する畠山理仁さん㊨=練馬区で(佐藤裕介撮影)
「供託金を増額すれば、お金持ちしか選挙に出られなくなってしまい、世の中の大多数を占める人たちの感覚から政治が離れてしまう結果を招く。最終的には巡り巡って有権者の首を絞めることになる」◆「ベターな人を選ぶため、できるだけ多くの候補者を見るべき」
—全56人の候補者の考えを聞くという趣旨で「ニコニコ動画」が実施したネット討論会では、畠山さんはいわゆる「主要候補」以外の部(33人が参加)の司会を務めた。 「候補者はバラエティに富んでいて、非常に面白かった。選挙とは、『自分の常識』が『世間の常識』とどれくらいズレているかを確認する時間だと思っている。いろいろな主張に耳を傾けていると、結果的に当選しなかった候補者の意見にも、『これは』と思うようないいアイデアがある。当選者にいい政策を提案するための材料集めでもある」 「そもそも選挙は『よりマシな地獄の選択』。『本当に推したい』と思える人に出会える確率は非常に低い。そこで棄権をすれば、政治はどんどん自らの希望からは遠くなっていく。投票後の後悔や『間違い』を減らすためにも、できるだけ多くの候補者をみて比較検討したほうがいい」 ▶次ページ 各候補をどう見る? 「やじが怖いのでは」「根強いファンがいる」 前のページ- 1
- 2
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。