わしは、政治の世界ではうそを言ったことはない――。名古屋市の河村たかし市長は1日の会見でこう発言し、前回の市長選の立候補を「最後」と断言したこととの整合性が問われた。最近、河村氏は任期満了に伴う来春の市長選への出馬をほのめかしているが、その真意はいかに。

 現在4期目の河村氏は、前回の2021年の市長選で「5期目は出ない」と宣言。自身が支援した大村秀章・愛知県知事のリコール(解職請求)で署名偽造事件が発覚し、逆風に見舞われたが、「最後」を強調して接戦を制した経緯がある。

 この日の会見で、東京都知事選の話題に言及した際、「僕は子どもにうそを言わんような日本を作ると言いたい」などと発言。自身は政治家としてうそをついたことがないから「孤立の道を歩んだ」とも述べた。

 そのうえで、「最後」と言っていたことを記者団が確認すると、河村氏は「前回(最後と)言ったのは事実」と認めつつ、「そういうのはうそではないという説もある」と発言。重ねて「政治家として初めてのうそとなるのか」と問われたが、「阿弥陀様にお任せします」とけむに巻いた。(寺沢知海)

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