岸田文雄首相は3日、最高裁大法廷が旧優生保護法規定を憲法違反と判断した上で、国の賠償責任を認める判決を出したことを受け、「多くの方々が特定の疾病や障害を有することを理由に生殖不能にする手術を強いられ、心身に多大な苦痛を受けてこられた。政府としても旧優生保護法を執行していた立場から、真摯(しんし)に反省し、心から深くおわび申し上げる」と述べ、政府として謝罪した。首相官邸で記者団に語った。
その上で、最高裁判決で確定した賠償を「速やかに行う」と表明。「手術を受けた皆様の声は大切だ。反省とおわびの言葉を直接伝えたい」と述べ、当事者や関係者との面会を今月中に実施するよう指示したと明らかにした。
2019年に施行した被害者救済法に基づき支給されている一時金(320万円)の増額などの課題については、「優生手術を受けた方々が高齢化していることを踏まえれば、その解決は先送りできない課題だ。国会とも相談しながら、新たな補償のあり方について可能な限り早急に結論を得られるよう加藤鮎子こども政策担当相と小泉龍司法相に検討を指示した」と語った。【内田帆ノ佳】
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