自民党の長谷川岳参院議員(北海道選挙区)に対し、国の予算成立時に北海道の関係部署の部長職から「お礼メール」が一斉に送られていたことを巡り、担当課が関連部署にメール送信のタイミングなどを伝えていたことが分かった。送信を念押しするような連絡もしていた。長谷川氏に対し、全庁的に配慮する必要があったためとみられるが、道は「不適切だった」として取りやめる考え。
道のこれまでの調査によると、長谷川氏への「一斉お礼メール」が始まったのは昨年11月の令和5年度補正予算成立時から。その後、6年度予算案が閣議決定した12月と、6年度当初予算が成立した今年3月の3度にわたり行われてきた。
国への予算要望を取りまとめている計画推進課によると、以前は関係部署の部長職が個別にお礼メールを送っていたが、「複数の関係部署から(長谷川氏への)『お礼をどうしたらいいか』と相談されるケースが複数あった。相手にメールが届くタイミングを合わせたほうがいいと考え、予算要望に関わる部署の課長補佐、係長、担当者の35人にメールを送った」という。
今年3月の当初予算成立時は7日と27日、28日の3度にわたって関係部署にメールを送付。このうち27日分は「予算成立後は速やかにメールを」と念押しする内容だった。担当課長は「忘れないようにお願いする意味も込めて送った」と説明する。特定の国会議員への対応としては異例で、長谷川氏に対し全庁的に配慮が必要だった状況が浮かび上がる。
長谷川氏は今月12日の国会内の取材で、道幹部から一斉に届くメールに「予算成立後、メールがたくさん来るのでびっくりした、引退する人には『長いことお疲れさまでした』などと一件一件丁寧に答えている。そのような報道に驚いている」と述べている。
計画推進課は「特定の議員へのお礼を依頼したととられるようなメールを予算担当者に一斉送信していたことは適切ではないことから今後は改める」と説明している。(坂本隆浩)
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