東京都知事選に立候補していた前参院議員の蓮舫氏(56)は午後8時すぎに都内の会見場に現れ、「若者支援やシニア支援につながる循環型の東京を全力で訴えたが、結果として届かなかったのは私の力不足」と悔しさをにじませた。

都知事選の落選が決まり、あいさつに臨む蓮舫氏=東京都千代田区で(市川和宏撮影)

 立憲民主党、共産党などが擁立し、「最強の候補」と期待を受けた。公約「7つの約束」で若者の「手取りアップ」や非正規労働者の待遇改善などを掲げ、選挙中には明治神宮外苑再開発の是非を問う「都民投票」の実施を追加公約にした。  演説では裏金問題を抱える自民党から支援される小池氏を批判。都庁ビルに映像を投影するプロジェクションマッピングの経費や職員の天下り、情報公開の少なさなど、国会質問さながらの熱量で指摘し、「政官業の癒着や古い政治はもうやめよう」と訴えた。

◆有権者に「新しさ」打ち出せず

 一方、会場で演説を聞いた大学生からは「課題を解決できることは分かったけど、新しく何が生まれるのかが見えない」という声も漏れた。街頭演説では立民や共産の幹部が大挙して応援に訪れるなど政党色も強く、自身が思うほど有権者に「新しさ」を打ち出せなかった。  街頭演説の回数では他候補より少なかったことを会見で問われると、「一回一回渾身(こんしん)の思いを込めている」と気丈に話した。  都知事選出馬に伴い、約20年間務めた参院議員は離職。次期衆院選など今後の政治活動については「私に何が足りなかったのか、少し考えたい」と明言を避けた。(原田遼) 

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