過去最多の56人が名乗りを上げた七夕の首都決戦を制したのは、現職の小池百合子氏(71)だった。7日投開票の東京都知事選で、堅調に3回目の当選を決めた小池氏。街頭では批判的な聴衆のやじにも見舞われたが、子育て支援をはじめとする2期8年の実績を強調し、選挙戦を終始リードした。
当選確実の一報が流れると、東京都新宿区の小池百合子氏の事務所では、支援者の歓声が湧き起こった。
大きな拍手に包まれながら事務所に入った小池氏は「これまで経験したことのない選挙だった」と選挙戦を振り返り「都政の3期目のかじ取りを任せてもらった。しっかりと全身全霊で対応していきたい」と決意を述べた。
今回の選挙戦で小池氏は、政党の公認や推薦は受けなかったものの、自民党、公明党、国民民主党都連、地域政党「都民ファーストの会」の自主支援を受けた。水面下では自民都連が各種団体に支援を呼びかけ、小池氏も決起大会に顔を出すなどしたが、街頭では徹底して党派色を出さないようにした。応援弁士に大物国会議員を呼ばず、地元の首長がマイクを握り、それぞれの地域での施策をアピールした。
選挙戦で陣営がとりわけ力を入れて主張したのは、子育て支援策だった。所得制限のない高校授業料の実質無償化や18歳以下を対象にした月5000円の給付など、2期目の実績を強調。さらに、これまで第2子以降だった保育料無償化を第1子まで拡大することを公約とした。
また、自然災害に備えるため「首都防衛」を公約のキーワードに据え、マンション防災などの強化を打ち出した。経済対策では、後継者不足に悩む中小企業の事業承継支援や、スタートアップ(新興企業)の技術を都が発注する事業で積極的に採用すると訴えた。都政の現場を知る現職の強みを生かした具体的な政策が並び、幅広い年代から支持を集めた。
一方で街頭演説では小池都政に批判的な聴衆も集まり「やめろ」「うそつき」などとコールする場面も。やじが飛び交い、陣営は対応に追われた。【島袋太輔】
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