7日投開票された鹿児島県知事選は無所属現職で、自民、公明、国民民主の3党から推薦を受けた塩田康一氏(58)が再選を果たした。派閥の政治資金パーティー裏金事件で自民に逆風が吹く中での選挙戦だったが、地域経済の振興などを訴え手堅く支持を広げた。
7日夜、当選確実となり鹿児島市内の事務所に姿を現した塩田氏は支持者を前に「『県民党』として選挙を戦えた。今後4年間、皆さんと一緒に県政発展のため取り組みたい」と笑顔を見せた。自民県連会長の森山裕・党総務会長(衆院鹿児島4区)は「地方自治は二元代表制なので、今回のような県民党的枠組みの中で知事を誕生させるのが大事だ」と語った。
塩田氏は1期目で、賛否が割れていた九州電力川内原発(同県薩摩川内市)の運転期間延長と馬毛島(同県西之表市)の自衛隊基地建設を容認。初当選した前回選挙では、川内原発の運転延長について県民投票実施の可能性を公約に掲げていたが、実施を見送った。
選挙戦では4年間の実績をアピールし、基幹産業の農林水産業などの振興に力を入れる姿勢を強調。子育て支援にも取り組むと訴え、幅広い世代への浸透を図った。いずれも新人で、県政刷新を訴えた元自民県議の米丸麻希子氏(49)と、原発の運転期間延長などに慎重な立場を取る市民団体共同代表の樋之口里花氏(52)は批判票の取り込みを図ったが、及ばなかった。【宝満志郎】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。