東京都知事選で当選確実となり、笑みを浮かべ拳を上げる小池百合子氏=東京都新宿区で2024年7月7日午後8時26分、前田梨里子撮影

 任期満了に伴う東京都知事選は7日投開票され、現職の小池百合子氏(71)が、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)や元参院議員の蓮舫氏(56)らを破り3選を果たした。過去最多の56人が立候補する中、小池氏は子育て支援策など2期8年の実績を強調。国政与党支持層のほか、無党派層からも幅広く支持を集めた。投票率は60・62%(前回55・00%)で、平成以降では2012年に次いで2番目の高さとなった。

 小池氏は午後8時過ぎ、東京都新宿区の事務所で「熱い思いをいただき重責を痛感する。ますます東京大改革をバージョンアップしていかなければならない。都民の命と暮らしを守っていく」と抱負を述べた。

 主な候補はいずれも政党の公認や推薦を受けなかったが、自民党、公明党、国民民主党都連、地域政党「都民ファーストの会」は小池氏を自主的に支援。立憲民主党、共産党、社民党は蓮舫氏を支援しており、事実上の与野党対決の構図だった。政治資金パーティー裏金事件で逆風を受ける自民は、小池氏の当選により政権運営への悪影響をひとまず避けられそうだ。

 一方、蓮舫氏は小池氏の得票に遠く及ばず、次点にも届かない情勢で、支援した野党側は次期衆院選に向けた戦略の見直しを迫られるとみられる。

 小池氏は告示8日前に立候補を表明。選挙戦では0~18歳の都民に月額5000円を支給する「018サポート」や、所得制限を外した高校授業料の実質無償化といった現職としての実績を強調した。

 公約集「東京大改革3・0」には保育料無償化の第1子までの拡大や、出産時の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩(ぶんべん)費用の助成を盛り込み、現役世代を中心にアピール。優位に選挙戦を進めた。

 既存政党に批判的な立場を取る石丸氏は「政治再建」を掲げて街頭活動を重ね、SNS(ネット交流サービス)で活動の拡散を図る選挙戦を展開。教育への投資を主張して若者や無党派層を中心に急速に浸透し、与野党対決に割って入る形で支持を伸ばした。

 蓮舫氏は「自民党政治の延命に手を貸す小池都政をリセットする」として立候補を表明し、若者の所得向上などを主張。樹木伐採計画への批判が高まっている明治神宮外苑地区の再開発については「都民投票の実施」を追加公約に掲げたが、無党派層への支持に広がりを欠いた。【山下俊輔】

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