2023年にクマが相次いで人里に現れたことを受け、環境省の専門家検討会は8日、人に被害が及ぶ恐れがあるなど一定の条件を満たす場合、市街地で猟銃を使用できるよう法律を改正する方針を取りまとめた。環境省は、次の国会での早期改正を目指す。
秋田県内では、2023年10月に美郷町の作業小屋にクマ3頭が侵入し、約24時間にわたって居座り続けたほか、秋田市新屋の住宅街で5人がクマに襲われるなどしてけがをした。2024年に入ってからも目撃情報は絶えない。
現在は、住宅密集地などで猟銃を使うことが鳥獣保護管理法で原則禁止され、猟友会などが市街地で銃を使えるのは、警察官が発砲を命じた場合などに限られている。
佐竹知事は5月、環境省で伊藤大臣と面会し、市街地に出没したクマに対して猟銃を使って迅速に対応できるよう、法令の見直しを求めていた。
8日は、環境省の専門家検討会が開かれ、秋田県猟友会の佐藤寿男会長も出席した。
会議では、警察官が現場にいない場合などに対応できないとの指摘があり、検討会は「応急的な措置ではなく、鳥獣保護管理法の改正が望ましい」と、一定の条件を満たす場合は警察の命令がなくても猟銃を使用できるよう、法改正する方針をまとめた。
改正されると、建物の中にクマが入り込んだ際、猟銃での対応が可能になる。
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