伊藤信太郎環境相は9日、閣議後の記者会見で、新潟水俣病の被害実態解明に向けた阿賀野川流域での住民健康調査について「遅くない時期にできるようにしたい」と述べた。ただし、水俣病被害地域(熊本、鹿児島両県の不知火海沿岸)での調査に関し、8日に「遅くとも2年以内に開始」と表明したのに対し、阿賀野川流域については時期の明言は避けた。
水俣病被害者救済特別措置法(2009年施行)は、政府が被害地域住民の健康調査を速やかに行うと定めている。伊藤氏は阿賀野川流域での調査について、客観的な識別手法に必要な医療機器を確保する必要があることなどから「まったく(未定)というわけではないが、2年以内に開始と明言できる状況ではない」と話した。
水俣病の患者・被害者との懇談中に環境省職員が被害者側のマイク音声を切った問題を受け、伊藤氏は8日、熊本県水俣市内で被害者らと再懇談し、不知火海沿岸での健康調査の開始時期に初めて言及した。【大野友嘉子】
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