岸田文雄首相は11日午前(日本時間11日深夜)、米ワシントンで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で演説し、NATO加盟国がインド太平洋への関心と関与を高めていることを歓迎した。「東シナ海、南シナ海における力による一方的な現状変更の試みは認められない」とも述べ、中国やロシアへの対抗を念頭に結束する重要性を訴えた。
会議にはNATO加盟国のほか、パートナー国である日本、韓国、豪州、ニュージーランドが出席。ロシアによるウクライナ侵攻やインド太平洋の情勢などについて議論した。
首相はロシアと北朝鮮の軍事協力の進展について「深刻に憂慮すべきものだ」と強調。厳しい安全保障環境に対応するため、防衛費を国内総生産(GDP)比2%に増やす取り組みを改めて表明したうえ、NATOや地域国との協力を深化させるとした。
日本は今年度中にNATO加盟国やパートナー国を国内に招き、戦略的コミュニケーションに関する会議を開く方針。会議後、首相は記者団に「地域を超えた同志国の連携が確認された」と成果をアピールした。(ワシントン=笹川翔平)
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