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防衛省は相次ぐ不祥事を受け、幹部ら218人を処分する異例の事態に。

今、内部で何が起きているのか、「陸・海・空」それぞれのトップを務めた3人を緊急取材しました。

■218人処分に…防衛大臣謝罪

前代未聞。防衛省は12日、一連の不祥事を受け、実に218人、のべ220人を一斉に処分しました。

木原 防衛大臣
「特定秘密保護上の漏洩と評価される事案や、不適切な取り扱い事案が多数確認されました。部外への流出は一切確認されてはいないものの、事務次官、各幕僚長、情報本部長を含む関係者約120名に対し、停職、減給、戒告を含む処分等を実施致しました」
「次に海上自衛隊において、潜水手当の不正受給、不正喫食が確認、約100名に対し、免職、降任、停職を含む処分等を実施致しました。そして、本省内部部局の指定職1名、及び課長職2名について、パワーハラスメント行為が確認されたことから、本日付で当該3名の幹部職員に対し、停職や減給の懲戒処分を実施致しました」 今回処分の対象となった事案は4つ。

「特定秘密の不適切な取り扱い」「潜水手当の不正受給」「基地内での不正飲食」そして「パワハラ」です。

それぞれ113人、74人、22人、3人が処分を受けたほか、指揮監督義務違反として、陸・海・空の幕僚長や制服組トップの統合幕僚長、さらに防衛省の事務次官と情報本部長の6人が訓戒などの処分を受けました。 木原 防衛大臣
「今回、公表したいずれの事案も、国民の信頼を裏切る決してあってはならないものです。防衛大臣として国民の皆さまに深くおわび申し上げます」 次のページは ■不祥事続出…組織の在り方に問題か?

■不祥事続出…組織の在り方に問題か?

今回、最も重い免職処分を受けたのはいずれも潜水手当を不正に受給していた11人。

懲戒処分を受けたのは合わせて117人ですが、このうちの113人が海上自衛隊だったことから、指揮監督が不十分として、海上自衛隊トップ・酒井海上幕僚長が事実上更迭されました。 海上自衛隊・酒井 良 海上幕僚長
「国民の皆さまに心から深くおわびを申し上げます」
「不祥事の根底にある原因の一つが、隊員の順法精神の欠如に加えて、組織のガバナンス能力の欠落と考えています」 悪質なケースでは、実際には潜水していないにもかかわらず、約200万円の潜水手当を不正に受給していた隊員がいたほか、基地の食堂などで食事の無料支給の対象者ではないのに921食、およそ30万円相当を不正に飲食していた隊員もいました。 海上自衛隊・酒井 良 海上幕僚長
「海上自衛隊という組織の体制にも、大きな要因が存在していると認識をしています」 さらに、海上自衛隊では、潜水艦の修理契約をめぐって裏金接待疑惑の調査も進められています。

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■陸・海・空の元トップに直撃

■陸・海・空の元トップに直撃

元海上幕僚長の河野克俊さんは、今回の不祥事について…

元海上幕僚長・河野 克俊 氏
「一時期にこのような不祥事が重なるというのは異例だと思います。私が現役の時も不祥事は起きてたわけですけど、不祥事が起きれば、それに対する対応策はとってきたんですけど、その都度。まだまだ不十分だったということだと思いますね。こういう結果になるということは」

元航空幕僚長の田母神俊雄さんは、特に潜水手当の不正受給を重く見ています。

元航空幕僚長・田母神 俊雄 氏
「弁明の余地はないでしょうね。お金の件でこんなことが起きては、国民の信頼を本当に失ってしまいますよね。ですから、これは厳正に対処すべきだと私は思います。人間の社会だからやっぱり不祥事は自衛隊も起きちゃうんですよね。ゼロにすることは難しいですよね」
「自衛隊の中で再度、法令に違反することはダメなんだよという教育を、もう1回やり直すことが必要ではないかと思います」

元陸上幕僚長の火箱芳文さんも隊員への教育が大切だと訴えます。

元陸上幕僚長・火箱 芳文 氏
「パワハラとかセクハラとか、こういった問題について陸上自衛隊も去年ありましたけれども、まだまだ徹底されていないところはあると思います。それぞれの事象には事象の理由があり、そして原因があると思いますので、原因については、しっかり探求をしてもらって、素晴らしい自衛隊を作り上げてほしいということです」

相次ぐ不祥事に、元防衛大臣は…

自民党・石破 元防衛大臣
「軍事組織というのは、最高の規律と最高の栄誉。これに目をつむっていると、いつまでたってもこういう不祥事はなくならない」

今回の不祥事は岸田政権にとって新たな火種となっています。

岸田 総理大臣
「国民の皆様にご心配をおかけしていることについて、まずおわびを申し上げなければならないと思っています。木原大臣においては、国民の信頼回復に全力であたってもらわなければならないと考えています」

木原防衛大臣については続投させる方針です。
その木原防衛大臣は「責任を痛感している」として大臣給与1カ月分を自主返納するということです。

総額43兆円の防衛財源を確保するための防衛増税について「国民に負担をお願いする」としている岸田総理。果たして国民の納得を得ることはできるのでしょうか。

元海上幕僚長・河野 克俊 氏
「近道はないと思うんですけども、やはり与えられた任務、使命を着実に果たしていくということに私は尽きると思います。それによって信頼回復をはかっていくことだと思います」
「繰り返し、こういう事案があったということを風化させないように徹底して教育をすることだと思います。繰り返し教育ですね」 この記事の写真を見る(15枚)
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