旧優生保護法(1948~96年、旧法)下で不妊手術を強制したのは憲法違反だとして、国に賠償を命じた最高裁判決を受けて、衆参両院の議院運営委員会は16日、理事会を開いた。立憲民主党が両院で被害者に謝罪する国会決議を求め、反対意見はなかった。与野党は、次の国会での謝罪決議に向けて調整に入る。

 最高裁が、旧法を「立法時点で違憲だった」と断じたのは3日。判決後、初の国会協議で、衆参両院の議運理事会が判決内容を共有した。

 すでに超党派の議員連盟が被害者補償に向けた新法を目指し、検討を始めている。今後、与野党は議連とともに国会決議や賠償の枠組みを定める新法の具体化を進める。

 参院議運委の理事会では、立憲の吉川沙織氏が「国会として謝罪の意思も含めて決議すべきだ」と要求。理事会後、浅尾慶一郎委員長は「違憲の立法を過去に行ったことは、真摯(しんし)に反省しなければいけない」と記者団に述べた。旧法は「不良な子孫の出生防止」などを目的に参院の議員立法として提出され、衆参両院の全会一致で成立した。(鈴木春香、小木雄太)

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