全国各地の旧優生保護法をめぐる裁判のうち上告された4件について、最高裁判所は7月、「旧優生保護法は憲法違反だ」とする初めての判断を示し、国に賠償を命じる判決が確定しています。

裁判では不法行為から20年が過ぎると賠償を求める権利がなくなるという「除斥期間」の適用を国が求め、大きな争点となりましたが、最高裁判所は「請求権が消滅したとして国が損害賠償責任を免れることは、正義・公平の理念に反する」などとして退けました。

関係者によりますと、政府はこの判決を踏まえ、今も審理が続く別の裁判では「除斥期間」の適用の主張を取り下げる方向で調整しています。

主張を取り下げることになれば、旧優生保護法に関するすべての裁判は、和解などの解決に向かう見通しです。

岸田首相 被害者と面会へ

岸田総理大臣は、17日に裁判の原告らと面会する予定で、政府として被害者への反省とおわびの意を示し、要望を丁寧に聞くことにしています。

そして、できるだけ早期に被害者に補償が行えるよう、検討を進めていく考えを伝えることにしています。

政府は、訴えを起こしていない人も含め、すべての被害者を補償の対象とするかどうか、与野党とも相談しながら具体的な制度設計の調整も急ぐ考えです。

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