パワハラ疑惑などを文書で告発された兵庫県の斎藤知事に対し、自民党は辞職を含めた対応を取るよう迫っていますが、17日、維新の会からは、自民党は「冷静に判断すべき」で「無責任」との声が上がりました。

■贈答のコーヒーメーカー受け取った兵庫県の部長 警察から任意聴取受ける

17日に行われた兵庫県議会の委員会。

【原田剛治産業労働部長】「警察関係者とお会いしたことは事実です」

答弁した産業労働部長をめぐり問題となっているのは、企業からの「コーヒーメーカー」などの贈答についてです。

ことし3月、兵庫県の元西播磨県民局長(60)は、斎藤知事のパワハラや贈答品のおねだり疑惑などを文書で告発。

【元県民局長の告発文】「(企業から)贈答されたコーヒーメーカーをその場では『いただけません』と辞退。一方、随行者の原田剛治産業労働部長に向かって『みんなが見ている場所で受け取れるはずないやろ』『秘書課に送るように言っておけ』と指示」
「後日、無事にコーヒーメーカーをゲット」

告発文を事実無根として県は元県民局長を懲戒処分。

しかし産業労働部長もコーヒーメーカー等を受け取っていて、返却するよう指示を受けたのに返却を怠ったと、同時に訓告処分を受けたのです。

さらに、捜査関係者への取材により収賄罪の告発を受けた警察が、先月下旬、産業労働部長を任意で事情聴取していたことが分かりました。

【原田剛治産業労働部長】「文書問題の内容について事実確認をしたいと申し出があり、警察関係者と会ったのは事実です。犯罪の捜査のための取り調べを受けた事実はありません。告発状が提出されているか否か私は分かりません」

■斎藤知事に「辞職」求めた自民 自民は「無責任」という維新

この疑惑を巡っては、今月14日、選挙で斎藤知事に推薦を出した自民党・兵庫県連の会長、末松信介参議院議員が辞職を含めた対応を求めました。

【自民党・兵庫県連会長 末松信介参議院議員】「県庁職員のモチベーションがこれ以上後退することは許されませんし、知事には大きな、そして正しい決断をしていただきたい」

この発言に17日、同じく選挙で斎藤知事に推薦を出した維新から、「無責任だ」との声が上がりました。

【日本維新の会 横山英幸常任役員】「一部ですね、『維新系首長』と発信されて、維新は推薦していますから、否定するのは責任放棄になると思うが、自民党も推薦したわけ、一部の自民党も。その責任も本来、考えられて、事態を冷静に判断して進められるべき事案だと思います。自民党の県連のご判断としては、僕は無責任なところがあると思います」

また日本維新の会の吉村共同代表は、「斎藤知事がパワーハラスメントを否定しているので、第三者委員会や百条委員会で真実を明らかにすべき」と話した上で…

【日本維新の会 吉村洋文共同代表】「『県民の負託を受けたので』ということをずっと繰り返し言っても、やはり、それは僕は通じないとは思うんです。やはり自分の言葉で、背景も含めて、自分の考え方も、自分のことなんだから、記憶の限りしっかり真摯に伝えていく。そして真実を明らかにしていくということをしないといけないと思います」

記者会見で、「県民の負託を受けた」「一日一日の仕事をしっかりやっていくのが責任」などと繰り返す斎藤知事の姿勢に苦言を呈しました。

■「県民のために何をすべきか、維新と自民がしっかり話合いを」

自民・維新双方の主張について、「newsランナー」コメンテーターでジャーナリストの鈴木哲夫さんは次のように話しました。

【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「政治の世界では『製造責任』みたいなこと言うんです。つまり政治家でも、首長にしても、政党がどう後ろで推して、誕生させたか。誕生させた以上は何かあった時に、推薦した政党はやはり責任を取って、何かしら対応しなきゃいけない。今回の場合、維新と自民で食い違っているけれども、両方が推薦したんだから、両方ともしっかり話し合いながらどうけじめをつけるか。それとなんだかんだ言っても、いま政局が次の総選挙に向けていろいろ動き始めている中で、そういう対決姿勢や思惑があって行動が出てくるタイミングなんです。そうじゃなくて県民のために何をすべきか、維新と自民がしっかり話合いをして対応しなきゃいけないと思います」

(関西テレビ「newsランナー」 2024年7月17日放送)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。