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最高裁が旧優生保護法を違憲と判断したことを受け、岸田総理は初めて原告団と面会しました。総理は深々と頭を下げて謝罪したうえで、全国で続く一連の裁判について和解を目指していく考えを示しました。

■「政府の責任は極めて重大」

旧優生保護法をめぐる裁判の原告ら約130人は17日、総理官邸を訪れました。

岸田総理
「政府の責任は極めて重大なものがあり、深く深く謝罪申し上げます」

被害者が総理に直接、思いを伝えます。

鈴木由美さん(60代)
「12歳の時に親が勝手に、私の知らない間に不妊手術をされて。大きくなって、20歳になって…でもそんな未来なかった。もっと苦しい人いっぱいいる。だから本当に国を変えてほしい」

尾上敬子さん(70代)
「私は大変長い間苦しかったです。差別のない社会をどうか広めてほしいと思っております」

1948年に制定された旧優生保護法。国策として、障害のある人などに強制的に不妊手術が行われてきました。少なくとも2万5000人が手術を受けたとされるなか、2019年に成立した救済法で一時金の支給が認定されたのは、5月末時点で1100人ほどにとどまっています。

すでに亡くなった被害者もいます。小林寶二さん(92)は、2年前に亡くなった妻の喜美子さんが勝手に中絶させられ、不妊手術も行われました。17日は生前の動画と共に訴えました。

小林喜美子さんの生前の動画
「もう一度、子どもができるだろうか。赤ちゃんがほしい、子どもがほしいと長い間とても悔しくて、つらくて悲しかったです」

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■『除斥期間』が阻んできた救済

■『除斥期間』が阻んできた救済

裁判という手段に訴えざるを得なかった被害者たち。それも“時の壁”が阻みます。国が、賠償を求める権利は20年を過ぎるとなくなるとする『除斥期間』の適用を主張してきたのです。

流れが大きく変わったのは、今月3日の最高裁判決です。除斥期間の適用を認めず、国に賠償責任があるとする統一判断を示しました。そして17日、面会の最後に…。

岸田総理
「除斥期間による権利消滅の主張を撤回をし、和解による解決を速やかに目指してまいります」

16歳の時に不妊手術を強制された、飯塚淳子さん(仮名70代)。25年以上、被害を訴えてきました。

「除斥期間」に阻まれ続けましたが、最高裁で事実上の逆転勝訴。総理に思いをぶつけました。

飯塚淳子さん(仮名、70代)
「私はこの被害を闇に葬られてはならないと思い、たった一人で歯を食いしばって被害を訴え続けてきましたが、国は当時、合法と繰り返しました。国はなぜもっと早く理解することができなかったのですか?本当は私の体を元に戻してほしいと…」

飯塚淳子さん(仮名、70代)
「(Q.思いは伝わったと思いますか)少しは分かってもらえたかな。友だちの家に行って、娘とか旦那、孫たちが来たりして。私にも子どもがいて孫がいたら、こういう家庭があったのにと思う。これからも悩みは消えないと思う」

■「早く解決を」あすから協議へ

与野党は、次の臨時国会で謝罪決議を行うことを検討。超党派の議員連盟は、補償に向けた新法の成立を目指しています。

原告団共同代表 新里宏二弁護士
「実は18日から、こども家庭庁と基礎的な協議を始めていく。それはきっと補償法の流れにもつながってくるのかなと」

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