任期満了に伴う三原市長選挙が21日告示されます。
これまでに現職と新人2人が立候補を表明していますが、選挙を前に早くも前哨戦が繰り広げられています。
瀬戸内海から中山間部まで自然豊かな三原市。
今、この町でも人口減少という課題に直面している。
今年6月末時点の三原市の人口はおよそ8万7300人。
4年前の同じ時期と比べると5000人以上減少している。
特に深刻なのが中山間地域だ。
大和町では町唯一のスーパーが7か月前に営業を終了するなど、住民の生活を脅かす事態に直面。
歯止めのかからない課題を前に、市長選を間近に控えた今、立候補予定者たちの前哨戦が繰り広げられている。
【現職・岡田吉弘氏】
「おはようございます」
通勤時間帯、行き交う車に手を振るのは現職の岡田吉弘氏(39)。
コロナ禍真っただ中の4年前の選挙で初当選した岡田氏。
一期目では特に「子育て支援」に力を入れてきた。
【現職・岡田吉弘氏】
「三原は子育てがしやすいなと実感してもらえるような街づくりを進めたいという思いのなかで、そうした施策を進めています」
三原市では今年度から第二子以降の保育費と給食費を無償化する事業をスタート。
他にも18歳までの子ども・保護者がいつでも利用できる施設を設置するなど、子育て世帯に優しい環境づくりを進めてきた。
また、岡田氏は人口減少を食い止めようと企業誘致にも積極的に取り組んできた。
去年秋、本郷町にある本郷産業団地の全区画を大手IT企業の関連会社に売却。
投資額はおよそ1000億円にのぼり、県内最大規模のデータセンターが建設される計画だ。
【現職・岡田吉弘氏】
「三原が元気になっていくためには産業・経済が元気でなければならない。2期目はしっかりと経済が活発化していくような政策を進めたいと思っている」
一方、「今の市政は市民に寄り添っていない」と待ったをかけるのは、三原市議を2期務めた新人の田中裕規氏(64)だ。
【新人・田中裕規氏】
「もっと地域に寄り添う地域の問題を解決する市政に変えていかなければなりません」
田中氏が最も深刻だと捉えているのが、本郷町にある民間の産業廃棄物最終処分場をめぐる問題だ。
汚染された水が水路などに流れ込む状況に対し、現市政は地元住民の声を全く聞いていないと田中氏は批判する。
【新人・田中裕規氏】
「今の市政は何ら手を打つことなく地域住民に寄り添わない県にべったりな状態」
さらに今年3月に佐木島住民への高速船の運賃助成が終了したことや中山間地域への支援が進んでいないことから、一部の市民が置き去りにされていると訴える。
市民の声を隅々まで拾い上げ、生活基盤を整えながら街の賑わい再生に繋げていきたいと田中氏は訴える。
【新人・田中裕規氏】
「どうかみなさん一緒に三原再生!活力を作りだし躍動する街へ変えていきましょう!」
集会で支援を訴えるのは、かつて三原市教育員会の教育長を務めた新人の計田春樹氏(69)だ。
【新人・計田春樹氏】
「声を聞いて、目で確かめて行動に移す。これが市民に寄り添った政治」
今年4月以降に始めた集会は30回以上、市内に住む2万世帯以上に足を運び、街の課題に耳を傾けてきた。
計田氏は、本郷産業団地に進出する予定のIT企業の雇用の数に疑問を投げかける。
【新人・計田春樹氏】
「1000億かけて来ますけどその雇用が数十人。数十人ですよ!これじゃ人口減少に歯止めをかけるどころかどんどん減るじゃないですか」
計田氏は製造業など2000人以上の雇用規模がある企業の誘致に取り組みたいと意気込む。
また給食費・保育費・子どもの医療費の完全無償化の実現や買い物難民の多い中山間地域の対策として、スーパーの誘致や移動手段の充実を掲げている。
【新人・計田春樹氏】
「任期中の給与を私は50%カットします。これは私の熱意と決意と責任を表してやりますという意思表示であります」
人口減少に直面しながらも市民に寄り添った持続可能な地域社会づくりが求めれられる三原市政。
街の未来を託すリーダーを選ぶ三原市長選挙は21日告示、28日に投開票される。
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