特集は長野市が検討する社会体育館の有料化です。初めて開かれた利用者と市の担当者の意見交換会では、有料化自体への反対意見は少なかったものの、料金の見込みが「高すぎる」との声が相次ぎました。
■維持管理に費用…「有料化」案
体育館を活用したまちづくりプロジェクト・小林史子さん:
「使用料が決定される前にもう少し、利用している市民と市のキャッチボールが必要なのでは」
先月、初めて開かれた「社会体育館の有料化」を巡る意見交換会。市民グループが、普段、体育館を利用している市民と市側の「対話の場が必要だ」として開催しました。
市内に32カ所ある社会体育館。人口20万人以上の中核都市では、鳥取市に次いで全国で2番目の多さです。
スポーツクラブから中高年のサークル活動まで幅広い世代に無料で利用されてきましたがー。
長野市スポーツ部・鈴木秀規部長:
「現在直面している老朽化、機能向上、対策は待ったなしの状況」
老朽化が進み維持管理に費用がかかるようになりました。
そこで浮上したのが「有料化」です。市によりますと、維持管理や備品の更新、空調整備などで毎年3億円余りの費用かかる見込みです。
■県内の他の市の状況は
これを市と利用者で半分ずつ負担すると、使用料の案は標準的な体育館で「2時間あたり2700~3500円」となっています。
県内の他の市は既に有料化していてご覧の通り。平均すると2時間当たりで1300円余りです。
照明代は別に徴収しているところが多く、平均1000円ほどです。
長野市は使用料に含む方針です。
■「高すぎる」との声
普段、社会体育館を利用している市民はー
利用者:
「必要なものに関しては、負担するのは当然だと思う。ただし、あまりにもかけ離れた金額が提示されている。年額試算しても30万円近くかかるような感じになる。こういうことをやられるとマイナスの方向に走らないか」
利用者:
「空調よりも、使用料が安くなることを求めている。長野市は今後、市の体育館を防災施設・避難所、そういう方向で使いたいと聞いたことが。そうすると使用者が全部それを負担するのはおかしい話」
有料化に反対を唱える人はいませんでしたが、使用料の案は「高い」との声が相次ぎました。
市民グループが利用者約200人に行ったアンケートでも、「高すぎる」と答えた人が8割に上っています。
■市「受益者負担を」
「負担してよいと思える1人分の金額」は「200円」が最も多く、「100円」「300円」と続きました。
一方、市側は子どもたちの利用などについては軽減措置を検討しているとした上で、一定の負担には理解を求めました。
長野市スポーツ部・鈴木秀規部長:
「機能向上を図りたい、その上で、費用から算出したコストからきた料金。受益者負担、利用者にご負担という形でいきたいと思っている」
意見交換を終えてー
利用者:
「2時間利用するのに1人当たりが500円以上になると、利用回数とか考えてしまう」
「受益者は必ずしもスポーツする人だけではないと思うので、もちろん避難所としても使うのでしょうし」
市民が納得できる適正な受益者負担を見出すことはできるのでしょうか。市は2024年10月にも有料化の内容を決める方針です。
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