いま関心の高い話題を詳しく解説する急上昇ニュースのコーナーです。今回のテーマは進まない男性の育児休暇、育休の取得です。担当は白井記者です。

(白井大輔記者)
岡山県は7月から男性の育休に積極的な企業に上限100万円の奨励金を支給する独自の事業を始めました。例えば、男性社員が通算14日以上育休を取得したら10万円、1カ月以上なら20万円を支給します。

岡山県内に本社か事業所がある企業で、県が実施するセミナーの受講などが条件となっています。背景にあるのが、進まない男性の育休取得です。最新のデータで、岡山県内の取得率は13.4%、香川県内は9.3%となっています。どうすれば、男性の育休取得が進むのか。現在、育休を取得している岡山市の男性を取材しました。

(向井裕一朗さん)
「よいしょ、洗濯、洗濯。」

岡山市に住む向井裕一朗さん。2024年3月から約1年間の育休を取得しました。長男の絃ちゃんは7月に1歳になりました。

(向井裕一朗さん)
「そこそこの量になる。夏は着替えもするように気を付けているので。」

向井さんの職業は保育士。以前から、子供ができたら育休を取りたいと考えていました。

(向井裕一朗さん)
「園長、先生たちとの会話で「育児ってこういうものよ」「育休を取ってみたら」と自然に出てきて、「取りたいんです」と。こちらが満を持して取得させてくださいというわけでなく、育休を取りやすい雰囲気が最初からあった。」

(絃ちゃんおやつを食べる)
「おやつ食べよ、絃ちゃん。まんまは?」
「パンケーキおいしい人?上手。」

おやつを食べた後は、車で外出。向かった先は近くの保育所に併設されている子育て支援センターです。

(向井裕一朗さん)
「子育ての話ではなくても、家族以外の人と話すと気がほぐれる、もちろん情報交換もある。顔なじみになるとママ友・パパ友ができて、交友関係ができて、コミュニティーの広がりも子育てをする自分の力強い後押しになっている。」

昼食は、絃ちゃんが昼寝をしている間に取ることもしばしば。保育士という職業柄、子供と接することには慣れている向井さんですが、育休を取得してその大変さを改めて感じたと言います。

(向井裕一朗さん)
「ご飯があるからあげる、おもちゃがあるから遊ぶはできるが、その準備、子供から離れて家事をする、タイミングを計るのが難しい。」

その時にしか見られない子供の成長を見守ることができるー。向井さんは、男性の育児参加が当たり前となり、男女問わず、育休取得が普通の選択肢になることを願っています。

(向井裕一朗さん)
「息子の笑顔と育ちと、周囲からの言葉が日々うれしくて、子育てして良かった。子供と一緒に成長できているかなと。取得して良かった」
「職場はもちろん、後輩に育休を取りたい人がいたらいろんな話をして後押ししてあげたいし、経験者は少数派なので、自分が伝えられる場があれば自分の経験を伝えて、皆が育児できる社会にしていければ」

(白井大輔 記者)
男性が育休を取得した方がいい理由があります。まず女性だけが育休を取得すると、一人での子育て、いわゆる「ワンオペ育児」となり、女性が育児に疲れ、不安を感じ、「産後うつ」につながりかねないとの指摘があります。

また、こんなデータもあります。夫が家事・育児を休日に6時間以上する家庭は、9割近くで2人以上の子供が生まれています。夫の家事・育児の参加時間が長い方が次の出産につながりやすいことを示しています。

(アナウンサー)
「男性の育休取得の促進は、女性の育児の負担軽減だけでなく、少子化対策にもつながるんですね。」

(白井大輔 記者)
とは言え、育休取得がなかなか進まない事情はそれぞれの家庭や企業にあります。同時に求められるのが働き方改革です。男性も女性もフレックス勤務やテレワークなどを活用して、フルタイムでも子供の送り迎えなど育児に関わることができるようにするための環境整備も求められます。

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