過去最多の56人が立候補した東京都知事選(7月7日投開票)で最高齢の候補者として話題になったドクター・中松氏(96)=本名・中松義郎=が26日、東京・内幸町の日本プレスセンターで開いた記者会見で「次の選挙は4年後、100歳です。よろしくお願いします」と述べ、2028年に想定される次回の都知事選にも100歳で立候補する意欲を示した。(宮尾幹成)

取材に応じるドクター・中松氏=東京都千代田区で

中松氏は1991年、1999年、2003年、2007年、2011年、2012年、2014年の都知事選にも立候補している。10年ぶり、8回目の挑戦となった今回は約2万4000票を獲得し、56人中11位だった。中松氏の誕生日は6月26日で、今回3選を果たした小池百合子氏が任期満了まで務めれば、4年後に行われる都知事選の時期に100歳を迎えることになる。

◆「応援団」結成し400万票を目指す

中松氏は会見で、100歳までに実現したいことを列挙。東京大地震に備えて発明した「ウクルマ」(地面を浮いて走り衝撃も吸収する車)や「なか真水」(災害時でも真水が供給できる)の実用化を挙げたほか、「都民の健康を守る」ため、粉塵が出ない電気自動車や粉塵を完全に遮断するマスクを発売するとした。 400万人からなる「ドクター・中松応援団」を新たに結成し、4年後の選挙では、今回当選した小池百合子氏(約291万8000票)を上回る400万票の大台に乗せる目標も掲げた。これまでの都知事選の最多得票は、2012年に猪瀬直樹氏が記録した約433万9000票だ。 自ら作詞・作曲した「ドクター・中松のうた」でシンガーソングライターとしてデビューし、全米ツアーを行う計画も発表。既に米国でオーケストラ伴奏によるレコーディングを終えているという。

◆「じいさんを尊ばない風潮は良くない」

中松氏は記者会見後、東京新聞の取材に応じた。 高齢による職務遂行への懸念が強まっていた米国のバイデン大統領(81)が秋の大統領選での再選を断念し、選挙戦から撤退する意向を表明したことに関して、中松氏は「経験の長さは大事。実際、若者は経験がないのだから。最近の教育で、じいさんを尊ばない風潮になっているのは良くない」と指摘。「バイデンに会って『僕は96歳でやっている。君はもっと若い』と励まそうと思っていたが、引っ込んでしまった」と残念がった。

記者会見ではドクター・中松氏(手前)の「96.1歳」を祝うハンドベル演奏もあった=千代田区で

◆私は発明家ではなく「国際創造学者」

東京新聞を含め、「発明家」の肩書きで報道されることが多い中松氏だが、記者会見では「名刺には『国際創造学者』と書いているのに、マスコミはいつも間違えて書く。国際創造学者と発明家は全く違う」と不満を表明。米国のハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)での講義が高く評価されているとして、「これからは『国際最高教授』の肩書きで統一をお願いします」と求めた。 記者会見は、6月に96歳の誕生日を迎えた中松氏の「96.1歳」を祝う会として開かれた。 

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