日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4カ国の枠組み「クアッド」の外相会合が29日、約4年ぶりに東京都内で開かれ、中国による海洋での威圧的な行動への対策を念頭に、「海洋秩序の強化による協力」として、「海洋状況把握のためのインド太平洋パートナーシップをインド洋地域にも拡大」することなどで合意した。
また、「科学技術の進歩等による地域の新たなニーズへの対応」として、フィリピンにおけるサイバーセキュリティ分野での能力構築支援を着実に実現することや、人道支援や災害救援など地域の緊急事態への迅速な対応、女性の観点を活かした平和安全保障「WPS」の重要性、偽情報の拡散を含め外国による情報操作や干渉への対応についても確認した。
会合には上川外相、アメリカのブリンケン国務長官、オーストラリアのウォン外相、インドのジャイシャンカル外相が出席した。
上川外相は会合で「国際秩序が挑戦にさらされる中、自由・民主主義といった価値を共有する日米豪印の4カ国が、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて協力をしていくことがますます重要となっている」と述べた。
会談後の共同記者発表で上川外相は、「今もロシアによるウクライナ侵略は継続し、東シナ海や南シナ海における、力による一方的な現状変更の試みや、北朝鮮による弾道ミサイルの発射が続くなど、国際秩序を巡る不確実性が増大し国際情勢は不透明さを増している」と指摘し、価値を共有するこの4カ国が戦略的議論を行い、課題解決を約束し、約束を果たし続ける方針を強調した。
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