政府は29日、日本学術会議のあり方を議論する有識者懇談会を開いた。法人化にあたり会員数を現在の210人から増やす方針で一致した。産業界や外国人、若手研究者らを新たに入れたり増やしたりして多様化につなげる。
政府は4月、会員選考や組織・制度のあり方を話し合う2つのワーキンググループ(WG)を懇談会の下に設置した。29日はWGが懇談会に議論の進捗を報告した。
WG側は「国民が納得できるメンバーが国民に説明できる選考方法で選ばれるような仕組みを検討する」との考えを示した。
学術的に優れていることを前提としつつ多様性の確保に努める。地方在住者らの積極的な登用を進める。現在の210人という会員数は少なく、およそ2000人いる連携会員は過剰だと言及した。
透明性を高めるために投票も検討する。いまの会員選考は現役会員が推薦する「コ・オプテーション方式」を採用する。内輪だけで選んでいるという指摘があった。外部の有識者で構成する助言委員会をつくることも提言した。
ガバナンスの強化については、学術会議の活動の自由さと外部意見の反映の両立をはかる。業務や財務などを点検する監事を置くほか、予算や運営といったことを助言する委員会の設置を進める。
政府は法人化に関して2025年にも国会に関連法案を提出する構えだ。学術会議は政府の進め方に反対しており、政府は冬にかけて有識者懇談会での議論を続ける。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。