森屋官房副長官は「中小企業の賃上げに貢献する姿勢が重要だ」と強調した

政府は5日、首相官邸で各省庁による副大臣会議を開いた。各省庁や地方自治体が発注する事業で適正な価格転嫁を徹底するよう確認した。原材料費や労務費、エネルギー価格が高騰しても中小企業が価格転嫁できない実態を踏まえ、改めて周知を呼びかける。

会議に出席した森屋宏官房副長官は「国や自治体がこれまで以上に自ら価格転嫁や取引適正化を強力に推し進め、受注者である中小企業の賃上げに貢献する姿勢が重要だ」と強調した。現状の課題を各副大臣らと共有した。

中小企業庁によると国などの発注総額は9兆5000億円程度、自治体は17兆5000億円ほどに上る。政府は中小企業と国などの契約の基本方針で、労務費や原材料費、エネルギー価格の実勢を反映した適正な請け負い代金の設定を定めている。

中企庁の調査で受注企業から「予算がなく価格転嫁に応じられないと断られた」との声が出た。

5日の会合は各省庁や自治体に印刷物の発注における適正な著作権契約を徹底するよう求めることも確かめた。受注した中小企業にイラストといったコンテンツの著作権を残し二次利用を後押しする。

若手社員向けに大学などの奨学金を企業が肩代わりする奨学金返還制度の周知も進める。制度の活用を広げて中小企業の若手人材の確保や定着につなげてもらう。

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