島根県松江市で導入が検討されている「宿泊税」について、市は19日、宿泊事業者を対象とした説明会を開きました。事業者からは、税収の使い道が具体的に見えてこないなど不満の声が噴出しました。
宿泊事業者
「なめていると言ったら失礼ですけど、いっぱい聞いてきているこの説明は、それでどうなるんだろうかが全然わからない」
「一人200円という金額を一律でかけてしまう。昔の領主様が農民に対してかけた人頭税ですよ、はっきり言って」
厳しい意見が相次いだ説明会。玉造温泉にある宿泊施設の経営者など12人が出席し、市の担当者から宿泊税導入の経緯や税収の使い道について説明を受けました。
松江市が2025年度の導入を検討する宿泊税。修学旅行などを除き、宿泊施設利用者から1人1泊につき200円を一律に徴収する方針ですが、島根県の丸山知事が、ビジネス客などへの配慮が必要としてパブリックコメントに意見を寄せるなど、導入をめぐる議論が活発になっています。
年間約50万人が宿泊する玉造温泉。仮に一律200円を徴収すれば、税収は年間約1億円。これは市が見込んでいる宿泊税の税収の3分の1にあたります。市は、宿泊税による税収で、観光協会の体制強化やキャッシュレス化など観光地の利便性向上も進めるとしていますが…。
事業者
「(宿泊税を)とることばかりが先行してしまって、良くなりますよというのが見えないのが本当につらい」
事業者
「松江が宿泊税取られるから泊まるのをやめて、出雲に泊まろうと考える方が出てくるのかな」
事業者側は、宿泊税の導入で玉造温泉でどのような整備が進むのか具体的に示されないことを問題視、また客離れを懸念する声もありました。
松江市税務管理課・石倉要治課長
「忌憚のない良い意見をいっぱいいただいたというところで、非常に参考になったというのが素直なところ。実際の運用の段階で希望に応えられるような形になれば」
市は4月にこの事業者説明会をあと9回開く予定で、ここで得られた意見やすでに集約済みのパブリックコメントをもとに、具体的な制度設計を進めたいとしています。
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