岸田文雄首相は7日、東京都大田区で中学生向けの映画製作のワークショップ(体験型講座)を視察した。首相は新たに設置を決めた監督やスタッフ、関係省庁による会議「映画戦略企画委員会」を9月上旬にも設立し、初会合を開くと表明した。
視察先で記者団の質問に答えた。コンテンツ産業の支援体制を強化するため、所管する文部科学省と経済産業省の施策を統合し、2025年度予算から両省の共同要求に変える方針も明らかにした。
コンテンツの製作現場では労働環境や賃金面の環境整備が課題になっている。首相は「公正取引委員会と協力し契約の適正化を図るため、実態調査を踏まえてスピード感を持って対応する」と述べた。
ワークショップでは中学生がプロの映画監督やスタッフとともに撮影や編集などに取り組む。首相は中学生との車座対話も行い、カンヌ映画祭最高賞の受賞経験を持つ是枝裕和監督が同席した。
首相は日本映画の自慢できる点を聞かれ「日本の映画やアニメは素晴らしいものがある。より世界で評価され、つくった人たちが報われる環境をつくっていきたい」と答えた。
政府は4月に開いた「新しい資本主義実現会議」で是枝氏らを招いてコンテンツ産業の活性化をテーマに議論した。首相は現場スタッフの労働や賃金など環境整備が必要との見解を示していた。
政府が6月に決めた新しい資本主義の実行計画には、クリエーターの労働環境整備や支援に関する政策を盛った。日本のコンテンツ産業を後押しし海外展開を促す。
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