9月の自民党総裁選に向け、出馬への期待が高まる小泉進次郎元環境相(43)。ただ独特の言い回しについて「中身がなく意味不明」などと指摘されることがしばしばあり、インターネット上では「ポエム」「進次郎構文」などと呼ばれることも多い。最近は東京都知事選に出馬した石丸伸二・前広島県安芸高田市長の「石丸構文」と比較されることもある。【森口沙織】
小泉氏は環境相だった2019年9月17日、東京電力福島第1原発事故に伴う除染廃棄物を中間貯蔵施設から30年以内に県外に搬出するという年限について、記者団に「これは福島県民の皆さんとの約束だと思います。その約束は守るためにあるものです。全力を尽くします」などと述べた。
具体的な取り組みについて記者団に問われると「30年後の自分は何歳かなと発災直後から考えてきた。私は健康でいられれば、30年後の約束を守れるかどうかという節目を見届けることができる可能性のある政治家だ。だからこそ果たせる責任もあると思う」と発言した。
さらに19年9月22日、米国で開かれた気候行動サミットの関連イベントで「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきです」と発言し、国内外で物議を醸した。
この訪米中には、ステーキを「毎日でも食べたいね」と発言。牛を育てる過程で生じるげっぷなどが温室効果ガスを出していると指摘されると「ステーキと気候変動の関連がニュースになるなら、環境問題を考える良いきっかけになる」「毎日でも食べたいということは、毎日食べているわけではない」などと述べた。
20年2月19日の衆院予算委員会では、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を欠席して地元後援会の新年会に参加したことについて野党から追及され、「私としては真摯(しんし)に受け止めて反省している。『反省の色が見えない』というのは、まさに私の問題だ。なかなか反省が伝わらない自分に対しても反省をしたい」と述べた。
21年3月18日にはラジオ番組で「プラスチックの原料って石油なんですよね。意外にこれ知られてないケースがある」と発言した。また同4月23日には、温室効果ガスの排出量削減目標を26%から46%に引き上げたことについてTBSの番組で「くっきりとした姿が見えているわけではないけど、おぼろげながら浮かんできたんです。『46』という数字が。シルエットが浮かんできたんです」と語った。
「進次郎構文」は父純一郎氏の「ワンフレーズポリティクス」さながらに同義語を繰り返す傾向がある。最近は「堂々巡りになっている気がする。先ほど定義についてお話ししましたよね」「同じ質問を今繰り返しされてます? さっき答えたばっかりですけど」などの「石丸構文」と比較されることが多く、SNS上では「平和的で愛嬌(あいきょう)がある」などと「再評価」する声もある。
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