9月の自民党総裁選への出馬が取りざたされている小林鷹之前経済安保相(49)が11日、フジテレビの「日曜報道 THE PRIME」に出演し、総裁選出馬については明言を避ける一方、派閥の力学に左右される総裁選にしてはならないとの意向を強調した。

橋下徹氏から総裁選に出馬するかを問われた小林氏は「国政を志したときから、国のかじ取りをいつか自分がやるという覚悟でやっている」と答え、重ねて出馬への意欲を問われると「今は自分の政治家としての力を高める。そのことに尽きる」と述べるにとどめた。

その上で小林氏は、自民党が危機的な状況にあるという認識を示し、「旧派閥の力学で今回の総裁選が動くとしたら自民党の明日はない」と強い口調で語った。

さらに「できる限りいろんな方が出て、国のビジョンを提示して多くの国民の皆様に訴えていくことが一番重要だと思う。若手中堅ベテラン問わず、一人一人の国会議員が主体的に動く選挙であってほしい。そういう意味からすると、若手中堅が動くことは大きな価値があると思う」と強調した。

自民党の世代交代論については、「自分がまだ若手だという甘えは許されない」とした上で、「世代交代のための世代交代は私はあまり賛成しない。実力主義でしっかりやっていく。この危機をみんなの能力を結集して乗り越えていく政治が必要だ」と述べた。

また小林氏は岸田政権の経済政策について、「経済的な指標が上がってきている」と評価した上で、実質賃金に関しては、物価の高騰もあり、まだ国民に上昇の実感が湧きにくい状態だと指摘した。

その上で今後の日本の成長戦略に関して、各地に半導体などの産業拠点を作る必要があるとの認識を示し、成功例として熊本県菊陽町が台湾の半導体メーカーTSMCを誘致した例を紹介。各地に「産業クラスター」を作ることで東京一極集中の是正にもつながるとの見方を示した。

また、経済社会や規制改革のあり方については、保守の立場に立つ自身の政治姿勢を強調した上で、「保守の思想というのは、当然時代に合わないところは、変えていけばいいと思う。考えた結果、新規参入が必要であれば規制を緩和していけばいいけれども、何が何でも規制を緩和すればいいというものではない」と述べた。

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