岸田首相会見 自民総裁選に不出馬表明 首相退任へ

《与野党の反応》

自民 亀岡総裁特別補佐「少し決断が早かった」

自民党の亀岡偉民・総裁特別補佐はNHKの取材に対し「少し決断が早かったのではないか。自民党の今後を考え、総裁として党全体を見渡した上で決断してもらいたかった。今の国内外の情勢は、政治がしっかりとリーダーシップを発揮しなければならない状況なので、総裁選挙では、そうした議論をきちんとしていかなければならない」と述べました。

自民幹部「重い決断 『政治とカネ』の問題にけじめ」

自民党幹部はNHKの取材に対し「岸田総理大臣は重い決断をした。『政治とカネ』の問題にけじめをつけるためには仕方がない。現職の総理大臣が不出馬ということで、総裁選挙に向けて今後、党内は混とんとしていくだろう」と述べました。

岸田派幹部「不出馬に追い込まれた形 残念で気の毒」

自民党岸田派の幹部はNHKの取材に対し「外交政策や防衛政策、それに内政でも実績を残してきたが政治とカネの問題で不出馬に追い込まれた形となった。非常に残念で気の毒に思う」と述べました。

自民 関口参院会長「率直に驚いた」

自民党の関口参議院議員会長はNHKの取材に対し「率直に驚いた。一連の政治資金問題など大変な状況の中で、3年間、国民のために一生懸命、頑張ってもらった」と述べました。

岸田派幹部 小野寺元防衛大臣「政治改革でけじめ」

岸田派の幹部、小野寺・元防衛大臣は、NHKの取材に対し「総理大臣としていろいろな状況を踏まえ、進退について考えたのだろう。公務優先であたってきた結果、このタイミングでの判断となったのだと思う。一連の問題を受けた政治改革で一定のけじめをつけるという判断なのではないか」と述べました。

自民幹部「さまざな事情を考慮した上での決断」

自民党幹部の1人はNHKの取材に対し「さまざな事情を考慮した上での岸田総理の決断だろう。受け止めたい」と述べました。

自民幹部「『立候補してほしい』との説得ダメだった」

自民党幹部はNHKの取材に対し「何度も『立候補してほしい』と説得したがダメだった。やりかけのこともたくさんあり、無責任なことだとも思う」と述べました。

自民 閣僚経験者「自民党への逆風収まらない」

自民党の閣僚経験者の1人はNHKの取材に対し「国民からも国会議員からも『岸田総理大臣は嫌だ』という声が多かったのでその声はいったん落ち着くものの、自民党への逆風は収まらないだろう。総裁選挙でかったつな議論を行いたい」と述べました。

自民 閣僚経験者「立候補しても勝てる見込みないと考えた」

自民党の閣僚経験者はNHKの取材に対し「岸田総理大臣は総裁選挙に立候補しても勝てる見込みがないと考えたのだろう。新しい総裁は、当然、衆議院解散・総選挙を意識して選出することになる」と述べました。

公明幹部「続投するのではないかと思っていた」

公明党幹部はNHKの取材に対し「続投するのではないかと思っていたので、突然のことに驚いた。いろんな判断があると思うので受け止めたい」と述べました。

立民 安住国対委員長「今後は政局全体が流動的になる」

立憲民主党の安住国会対策委員長はNHKの取材に対し「総裁選挙に出ると思っていたので突然の意向表明に驚いている。政治とカネの問題で国民に理解されないと、ようやく判断したということなのだろう。今後は政局全体が流動的になる」と述べました。

立民 逢坂代表代行「政策成し遂げるより自民党政権の延命決断」

立憲民主党の逢坂代表代行はNHKの取材に対し「先の国会では、政治資金規正法の議論で国民の信頼を得るような改革をしなかった。政治改革をはじめ、何かを成し遂げたいという政策があれば、このタイミングで総裁選挙に立候補しないという決断はしなかったはずだ。政策などを成し遂げるよりも自民党政権の延命を決断したと見られてもしかたがない」と述べました。

維新 藤田幹事長「党内まとめきる力なかったこと残念」

日本維新の会の藤田幹事長は、NHKの取材に対し「突然のことに驚いている。政治改革では公党間の約束を果たせず、岸田総理大臣に党内をまとめきる力がなかったことは残念だ。次期自民党総裁には、国会議員に毎月支給される旧『文書通信交通滞在費』、今の『調査研究広報滞在費』の改革をはじめ、有言実行で改革を実現することを強く求める。総裁選挙では、憲法改正や社会保障改革などの議論が進むかどうか注視する」と述べました。

《海外メディアの反応》

海外メディアも速報で伝える

岸田総理大臣が来月の自民党総裁選挙に立候補しない意向を固めたことについて、韓国の連合ニュースやロイター通信なども日本メディアの報道を引用して速報で伝えています。

このうち、韓国の連合ニュースは自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、内閣支持率が低迷していることに触れ「『退陣危機』のレベルである10%から20%台にとどまり党内外から退陣の圧力を受けてきた」と報じています。

また、ロイター通信は「支持率が低迷する中での退陣決定は世界4位の経済大国の首相の後継争いの引き金となるだろう」と報じています。

このほか、AP通信や中国の国営・中国中央テレビ、それに、フランスのAFP通信も速報で伝えています。

《岸田首相の地元では》

岸田総理大臣が来月の自民党総裁選挙に立候補しない意向を表明したことについて、地元の広島市では、驚きの声などが聞かれました。

50代の女性は「もう一度やると思っていたのでびっくりした。去年のG7広島サミットでは広島のためにも頑張っていたが、それ以降は頑張りが足りなかった感じがする」と話していました。

3歳の子どもを連れた30代の母親は「率直な意見でいうと続けてもいいと思っていた。次が誰になるのかに関心がある」と話していました。

80代の男性は「みんなの人気がそれほどでもない感じだから、今の状態だったらしかたがないのかもしれない」と話していました。

20代の大学生の男性は「続けてほしいが、自分が辞めたいというのなら選択を尊重してあげるべきだと思う」と話していました。

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