岸田首相が8月14日、突然9月の自民党・総裁選に出馬しないことを明らかにしました。北海道内にも衝撃が走っています。
岸田首相が突如次の総裁選の不出馬を宣言
「自民党が変わることを示す最もわかりやすい最初の一歩は、私が身を引くこと。私は来たる総裁選には出馬しない」
8月14日、臨時の記者会見で明らかにした次の総裁選への不出馬宣言。背景には国民の不信を招いた派閥の裏金問題などがありました。
「所属議員が起こした重大な事態について、組織の長として責任を取ることに、いささかの躊躇(ちゅうちょ)もない。新たなリーダーを一兵卒として支えていくことに徹していく」(ともに岸田首相)
突然の表明に道内でも衝撃が走りました。
2021年、第100代の総理大臣に就任した岸田首相。支持率は上昇し、その年の衆院選では自民党の顔として北海道内でも支持を訴えました。
しかし安倍元首相の銃撃事件をきっかけに明るみになった旧統一協会をめぐる問題や、派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で国民に不信が広がり、不出馬を決めました。
「え!きょう言ったの!?まじで!」道民の受け止めもさまざま
道民の受け止めは…
「退陣すればいいと思っていた」
「子育て世代にもうちょっといろいろやってほしかった」
「税金とかネガティブなニュースを多く受け止めていたが、やっぱり国民を引っ張っていくありがたい存在だった」(いずれも道民)
「え!きょう言ったの!?まじで!思いと政策が違いすぎて私たちが離れちゃったのかも」(函館市民)
「出馬はできなくて当たり前だと思う。まず、裏金がはっきりしていない、うやむやになったまま」(釧路市民)
北方領土元島民からは不満の声
北海道根室市では元島民の男性がニュースを見つめていました。
「岸田さんは一つも意見を言っていません。北方領土問題については。私らとしては不満です。ロシアがなんと言おうと、北方墓参や交流に早く手をつけてもらいたい」(歯舞群島出身 角鹿泰司さん)
自民党道連の中村会長は14日午後、道内で取材に応じました。
「14日というタイミングは意外だった。国内の政治不信を招いたことを見ると、トップが責任を取ることは1つの選択肢として評価をすべきだろう。国民に開かれた議論をした上で新しいリーダーを決めていきたい」(自民党道連 中村裕之 会長)
一方、野党・立憲民主党道連の逢坂代表は。
「判断が遅すぎる。不出馬が政治責任を取るんだとするならば、何に対する責任なのか。裏金なのか統一教会なのか自衛隊の不祥事なのか。どれもこれもうやむやなまま。他党の総裁を決めることなので、我々がとやかく言うことではないが、自民党政治を見ていると、自民党内に何か不都合があると、総裁の首をすげ替える。それによって刷新感を出して、不都合があったこと、不祥事をリセットしてしまうことを繰り返している。この手法に国民の皆さんだまされちゃいけないと思う」(立憲民主党道連 逢坂誠二 代表)
政治学の専門家は…
「2024年に入って、政治とカネをめぐる大きな問題が取り沙汰され、内閣支持率も大きく下がった。数字がなかなか改善しないまま、ここまで来てしまった。岸田首相はギリギリまで総裁選に出馬をすることを模索していたと思う。党内の有力者などに意見などを聞き、再選を果たすのが難しそうだという判断に至ったのではないかと推察される」(北海学園大学 法学部政治学科 山本健太郎 教授)
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