「私は来たる総裁選には出馬いたしません」
東京・永田町に激震が走った。岸田首相が突如、8月の自民党総裁選挙に出馬しないことを宣言し、事実上の退陣を表明したのだ。
お盆のさなかの電撃退陣表明。岸田首相はなぜこのタイミングで表明したのか。多くの疑問が渦巻く中で、次なる日本のリーダー選びに向けた動きが加速し始めている。
“政治とカネ”「私が身を引くことでけじめをつける」
「総理退陣で号外をお配りしていまーす!」
東京・銀座では14日正午頃、号外が配布された。街の人からは「ちょっとびっくりです」「次が誰になるのか気になります」といった声が聞かれた。
14日午前、岸田首相の緊急会見が始まるわずか9分前には、スタッフが会見の準備に大わらわとなった。なんとか準備が整ったわずか5分後に、岸田首相が登壇。「総裁選を通じて選ばれた新たなリーダーを、一兵卒として支えていくことに徹してまいります」と述べ、自ら身を引く考えを明らかにした。
この記事の画像(11枚)「組織の長として、責任を取ることにいささかの躊躇もありません。当面の外交日程に一区切りが着いたこの時点で、私が身を引くことでけじめをつけ、総裁選に向かっていきたいと考えています」
不出馬を決めた理由としてあげたのは、裏金事件を巡る、“政治とカネ”の問題だった。
13日夜は、帰国したパリオリンピックの日本選手団の表敬を受けた岸田首相。一夜明けての退陣表明会見では、次の内閣への希望を「政策力、実行力に基づいた、真のドリームチームを作ってもらい、何よりも大切なのは、国民の共感を得られる政治を実現することにあります」と表現した。
岸田首相は14日朝、ある党幹部に連絡し、「引き際だと思った。党改革が必要で、全く新しい総裁選になってほしい」と伝えたといいう。岸田首相の決断を知らなかった同僚議員らにとっては、まさに寝耳に水。小野寺元防衛相は、「大変驚きました。かなり様々な思いを込めて決断されたと思っている」と語った。
閣僚経験者「自ら引くのは当然」
一方で、「退陣は当然」との声も出ている。ある閣僚経験者は「岸田さんで選挙をやったら、自民党は壊滅的になる。自ら引くのは当然だ」と語った。
野党側は警戒感を示している。立憲民主党の泉代表は「党が危機になると総理総裁を代えて、心機一転、過去を忘れてもらうと。そういう手法に、国民がいつまでも引っかかっていてはいけない」と述べた。
今後は、誰が日本の舵取りを担うのか。岸田首相の退陣表明を受け取材に応じたのは、5回目の総裁選出馬を目指す石破茂元幹事長だ。訪問先の台湾で、「総裁選に推してやろうという方々が20人おられれれば、ぜひとも総裁選挙に出馬したいということです」と述べ、総裁選に向けた準備を進める考えを示した。
総裁選に向けては他にも、知名度抜群の小泉進次郎元環境相(43)、河野太郎デジタル相(61)、茂木敏充幹事長(68)、高市早苗経済安保相(63)や、小林鷹之前経済安保相(49)などが出馬を模索している。
(「イット!」8月14日放送より)
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