9月の自民党総裁選に出馬しない意向を表明した岸田首相。
総裁選の行方はどうなるのか、ジャーナリストの鈴木哲夫さんに聞きました。
川崎キャスター:
次の総裁が誰になるのか聞いていきたいと思います。
総裁選への出馬が取りざたされている8人(石破茂元幹事長・茂木敏充幹事長・河野太郎デジタル相・林芳正官房長官・小泉進次郎元環境相・小林鷹之前経済安保相・高市早苗経済安保相・上川陽子外相)ですが、どういう情勢ですか?
鈴木さん:
一言でいうと「乱立」。
良くも悪くも岸田さんが総裁選に出るということなら、批判はすごいけど、1つの目標なり敵がいるからそれとどう向き合うかという構図だったが、岸田さんがいなくなっちゃったから「同じ背丈の乱立」という状況になってきたことは間違いない。
川崎キャスター:
対立構図のほうが戦いやすい部分はあるが、岸田さんの流れを汲むならどういう面々になる?
鈴木さん:
岸田さんは「 自分は一兵卒」とか言ったけどやはり影響力を残したい。自分の派閥でいうと上川さん(上川陽子外相)とか林さん(林芳正官房長官)を推す可能性がある。
茂木さん(茂木敏充幹事長)は岸田さんを支えてきた。「岸田さんが出るなら自分は出ない」と言ってきた。岸田さんは「茂木さんは僕のことを支えてくれたんだから…」という流れがある。
ポイントととしてはあんまり仲の良くなかった麻生さん(麻生太郎副総裁)と岸田さんが話し合いをする可能性がある。「麻生さんもOKで」ということになると、上川さんか茂木さんみたいになる。
川崎キャスター:
いわゆる「反岸田」と言うか、 菅義偉前首相の動きは?
鈴木さん:
ここが難しいんですよ。岸田さんが出るなら「敵がいるからよし」と思っていたけど、3人(石破茂元幹事長・河野太郎デジタル相・小泉進次郎元環境相)の足並みがちょっと乱れている感じがある。
いま進次郎さんがすごく「わーっ」ともてはやされていますけど、進次郎さんが本当に出るかどうかはまだ分からない。
僕が菅さんを取材した感じでは「やっぱり1本に絞った方がいいんじゃないか」という考えが菅さんの中にはあるんですね。
この3人をどういうふうにまとめていくのか、ダメだったらもうみんな出て決選投票で「2・3位連合」なんてこともあるが、「一本化できないか」という水面下の作業がおそらくこの1週間程度あるかなと思います。
ただ今度の総裁選は数合わせ、顔を変えるだけでいいんですか。国民は相当怒っているので、本当の厳しい総裁選、政策論争を見せないと僕はダメだと思います。
川崎キャスター:
看板を変えるだけじゃなくて国民が納得する答えを出してほしいですね。
(2024年8月15日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)
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