自民党は20日、党総裁選の日程を9月12日告示、27日投開票とすることを正式に決定した。派閥の裏金事件や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題の発覚後、初めての総裁選となる。当選すれば首相の座に直結する総裁選は、どのような仕組みで行われるのか。前回選と変わったことはあるのか。(佐藤裕介)

自民党総裁選の日程などについて説明する党総裁選挙管理委員会の逢沢一郎委員長(右)=20日午前、党本部

◆20人の国会議員推薦が必要

立候補には党所属国会議員20人の推薦人が必要となる。19日に立候補を既に表明した小林鷹之前経済安全保障担当相は、既に国会議員への支援要請に着手。「ポスト岸田」には、小泉進次郎元環境相や河野太郎デジタル担当相、石破茂元幹事長ら11人が取り沙汰されている。

◆選挙期間は前回より長い15日間

総裁の任期は3年で、連続3期まで務めることができる。岸田文雄総裁の任期は9月末までで、投開票日はその直前の9月27日となった。選挙期間は、12日前後が多かった通例より長い15日間。裏金事件などで党への批判が高まっていることなどを受け、選挙期間中の候補者間の論戦を通じて党刷新をアピールする狙いがある。

◆議員票と党員・党友票は計734票

各候補は、国会議員1人1票ずつの「国会議員票」367票と、国会議員票と同じ「党員・党友票」367票(いずれも20日現在)の計734票を争う。 党員・党友票は結果を全国集計して「ドント方式」で各候補に比例配分される。党員・党友投票の締め切り日は9月26日。開票日は国会議員票、党員票ともに9月27日で、1回目の投開票で有効票の過半数を得た候補者が新総裁となる。

◆過去には決選投票による逆転劇も

仮に1回目の投開票で過半数を得た候補がいなかった場合は、得票数が多かった上位2人による決選投票が行われる。決選投票では、国会議員は1人1票のままだが、党員・党友票は各都道府県ごと1票の計47票になり、得票数が多い候補に与えられる。 過去の総裁選では、1回目の投票で2位だった候補者による逆転劇も繰り広げられてきた。5人が立候補した2012年の総裁選では、1回目の投票で石破茂氏が1位、安倍晋三氏が2位だったが、決選投票で安倍晋三氏が勝利している。 2023年末の党員数は約109万人で、22年末と比較して約3万人減少している。 

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