事実上、日本のトップを決める自民党の総裁選挙。8月22日はスタジオに静岡県連の会長で衆議院・静岡2区選出の井林辰憲 議員(麻生派・当選4回)を招いて話を聞いた。

井林辰憲 議員が生出演

永井俊樹アナウンサー:
自民党の総裁選に名前が浮上しているのは小林鷹之 前経済安保相(出馬表明済み)、石破茂 元幹事長(24日に出馬表明へ)、河野太郎デジタル相(26日に出馬表明へ)、林芳正 官房長官(来週にも表明へ)、小泉進次郎 元環境相(出馬の意向固める)、高市早苗 経済安保相(推薦人確保にめど)、加藤勝信 元厚労相、上川陽子 外相、齋藤健 経産相、野田聖子 元総務相、茂木敏充 幹事長の11人だ。

蓮見直樹アナウンサー:
混戦模様の総裁選となっていて、これまでとは空気感も随分違うと思います。どうお感じですか?

井林辰憲 議員:
私のところにも今までにないくらい多くの人から、候補者の中からも複数、複数というか四方八方から電話をもらっていて、こんなのは経験がない総裁選で、すごいことになっているというのが正直な感想です

蓮見直樹アナウンサー:
(名前が挙がる)ほとんどの人から連絡が来ている形ですか?

井林辰憲 議員:
半分以上ですね

蓮見直樹アナウンサー:
それくらいどうなるかわからない混戦模様ということですね。鎌田さんはこの顔ぶれをどう受け止めていらっしゃいますか?

ジャーナリスト・鎌田靖さん:
これまでの総裁選とは全く違いますよね。やはり派閥の縛りがなくなったということが大きいわけだし、それと岸田首相が立候補を見送ったということで、上川さんもそうですけれど閣僚や党の執行部の人が出馬しやすくなったという背景もあるわけで、これまでにないことで。

私がひとつ押さえておきたいのは、これまでに女性が複数立候補することはありましたけれど、今回は上川さんもいらっしゃるので3人ですよね。やはりジェンダーギャップ指数が先進国の中で最も低いという、非常に女性の政治参加が遅れているという中で、3人出られた、もちろんこのあと20人の推薦人を集められるかわかりませんけれども、これは強調しておかなければいけない。つまり、評価していいことなのではないかと思うんですけれど。

蓮見直樹アナウンサー:
最終的にどうなるかというところもありますけれど、まず静岡選出の上川陽子さんの動向が気になるところで、井林さん、県連会長としてはどう受け止めていらっしゃるんですか?

井林辰憲 議員:
大変すばらしい決断をされたと思っていますし、出られるのであれば「ぜひ私も支援したい」ということは上川大臣には伝えてありますし、同僚議員とも「出るのなら支えなければいけないよね」という風な議員がかなり多くいるのも事実です

蓮見直樹アナウンサー:
支えるというのは具体的に推薦人になるという受け止めでいいのか、いかがでしょうか?

井林辰憲 議員:
それぞれの議員に背景がありますので、先陣切ってというわけにはみんないかないと思いますけれども、「最後、足りないから何とか」と言われれば、複数の議員は名前を出すことを決断すると思っています

蓮見直樹アナウンサー:
県連としては自主投票なのか、ある程度方向性を一本化していくのか、どうですか?

井林辰憲 議員:
県連だから一本化というのは難しいと思いますが、もしこれが選挙戦になれば我々静岡県として、応援する会のようなものを立ち上げるところまでたどり着ければ本当にすばらしいことだと思っています。

その時に全員が参加してなくても、強制ではありませんけれども、みんなで応援しようという気持ちを上川大臣にお伝えできるのがすばらしい状況だと思っていますけれども、それは随分先の話ですので

蓮見直樹アナウンサー:
井林さん自身としては誰の推薦人になるのかお決めなんでしょうか?

井林辰憲 議員:
上川大臣が出るのであれば、推薦人という話をいただければきちっと今までお世話になった人にお話をした上で決断したいと思っています

蓮見直樹アナウンサー:
(上川氏は)インドから21日に帰国されたばかりで、帰国されてから連絡は?

井林辰憲 議員:
もういただいています

蓮見直樹アナウンサー:
それはどんな会話だったんでしょうか?

井林辰憲 議員:
「頼むね」ということだったので今のようなお話をさせていただきました

蓮見直樹アナウンサー:
きょうの取材でも「勢いが加速してきた」というコメントがありましたよね

井林辰憲 議員:
私が見る限りゼロからですので。やっぱりいろいろな人の輪が出来ているというのは私も聞いているので、いい動きだなと思っています

蓮見直樹アナウンサー:
今回は40代の2人も名前が挙がっています。小林 前経済安保相は当選同期ですか?

井林辰憲 議員:
同期ですね

蓮見直樹アナウンサー:
小林 前経済安保相と小泉 元環境相の2人への評価はいかがですか?

井林辰憲 議員:
小林さんは同期ですし、仲もよいので、世の中こんなに頭の良い人がいるのかというくらいキレた頭の持ち主でありますし、経済安全保障なんかも問題点を考えついて、政策として作り上げる手腕はすばらしいものだと思っています。

蓮見直樹アナウンサー:
仲が良くても推薦になるかということは別問題なんですか?

井林辰憲 議員:
私の場合、今までお世話になってきた上川大臣ですとか河野大臣がいるので、その上でということになると思います

蓮見直樹アナウンサー:
そして、小泉さんについてはいかがでしょうか?

井林辰憲 議員:
小泉 元環境相も実は私いくつか議員連盟をやらせてもらっていて、また、私は環境工学が出身なので、環境問題を一緒に勉強させてもらいました。方向性を示したり、概念を作る、政治として最も求められるところには極めて能力の高い人だと思っています

蓮見直樹アナウンサー:
まだはっきりと出馬表明というところには至っていませんが、どのあたり注目していますか?

井林辰憲 議員:
やはり小泉さんが決断されるということは、今回出るとかなり強い候補と言われていますので、タイミング、またこれから話題になりますけれども政治とカネとか、派閥に対してどういったメッセージを訴えていくのかというのは非常に注目しています

蓮見直樹アナウンサー:
派閥の論理がどこまで影響するのか今回非常に注目されています

井林辰憲 議員:
前回の総裁選の時も麻生派からの推薦はありませんでしたが、私は河野太郎さんを支援したので、派閥というよりも日頃からの政策とか人間関係、また、考え方で決まっていく要素が非常に強いのではないかなと思っています

蓮見直樹アナウンサー:
政策集団としての麻生派は残っているわけですけれども、派閥としての方針は示されていないんですか?

井林辰憲 議員:
前回も最後に出されましたけれども、特定の候補者一本という形の、前回は岸田さんか河野さん、野田さんでもいいよみたいな言い方だったので、野田さんだったかな、高市さんだったかな、3人・4人の名前でもいいよという形だったので、そんな激しい縛りではないですよ

蓮見直樹アナウンサー:
派閥の所属議員として求められること、県連会長として考え。これで苦しむことは特にないですか?

井林辰憲 議員:
そうですね。それよりも日頃からの人間関係でお世話になっている方から電話が来ると大変心苦しい思いがしますよね、それは。いろいろな人にお世話になりながら私も政治活動をやっていますので、そっちの方がつらいですね

蓮見直樹アナウンサー:
とはいっても本当に派閥なき総裁選に本当になるのかと思っている人はいっぱいいると思うんですね。そのあたりの空気感はどうお感じですか?

井林辰憲 議員:
派閥って私が思うのは、お世話になっている人なんですよ。例えば今回名前が挙がっていない人でも自らグループを率いている人は複数いらっしゃいますし、だからお世話になっている人の人間関係の中でいくので、派閥の有無というのは個人的には関係ないかなと思っています

蓮見直樹アナウンサー:
鎌田さん、ほかに聞いてみたいことは?

ジャーナリスト・鎌田靖さん:
今回のそもそもの発端は政治とカネの問題で、国民の自民党への批判が集まって、岸田首相の支持率がどんどん下がりっぱなしで、その中でこのままでは自民党自体が立ち行かなくなるということが大きかったと思うんですが、その意味では言葉として「刷新感」「リボーン」と強調するのはもちろんそうだなと思うんですが、ただ政治のカネの問題というのは国民が納得しているわけではないので、それはきちんとやって国民の不信感を解消してほしいという注文が1つ。

昨日、総裁選のポスターが公表されました。白黒で重厚なポスターでしたけれど、刷新感とか生まれ変わらなければいけないというのが一番大事なキーワードだと私は思っていますけれど、戦後すぐの自民党総裁の顔を出すことは、それもみんな白黒ですよね。当然かつてはカラー写真がなかったので白黒にせざるを得ない。ちょっと昭和の時代に戻ってどうするのか。

それともう1つ大事なのは、自民党のかつての総裁を紹介するということは女性はいないわけなので、これはちょっと今の時代感覚からすると少しおかしいのではないのかと。

このポスターがどうしてこういうコンセプトで作られたのか非常に疑問だったんです。井林さんはどう思われますか?

井林辰憲 議員:
政治とカネの問題は本当に解決しなければいけないですし、この問題がこれだけずるずる長引いたのは、やはりそれを守ろうとしている人たちが、派閥というものがあって、そういう風に国民のみなさん映ったからこそ、派閥に対する拒否感、また解散という話になったと思いますので、これはきちっと答えを出さないといけないと思います。

このポスターは私も今の時代これ…田中角栄さんはすばらしい人ですけれど、政治とカネの問題が言われている時にこれを使うか?というのは私も思いました

ジャーナリスト・鎌田靖さん:
ちょっと違和感があるんですよね

井林辰憲 議員:
これだったら世界の指導者を全部出すとか、その中で一人だけ空欄にしてこれが誰だとかですね

ジャーナリスト・鎌田靖さん:
差し替えたらどうですか

井林辰憲 議員:
これは自民党目線ですよね

蓮見直樹アナウンサー:
毎回こういうポスターって派手なものを作られてきたんでしたっけ?

井林辰憲 議員:
あんまり作らないんですけれど、今回はおそらく解散総選挙があと1年以内にある、来年の参議院選挙もあるということで、自民党の支持を取り戻そうということでこういうものを用意したのかなと思います


蓮見直樹アナウンサー:
真のリーダー一本で考えるのか、選挙で次に当選するためにという考えを持ちながらも議員もいると思う。そのあたりどのような空気感ですか?

井林辰憲 議員:
それぞれの議員の考えなので、それはそれでいいと思うんですけれど、私はやっぱり日頃から一緒にやって来た人をしっかり支援する。そして、その中で、最後我々が一番大事なのは決めたらみんなで一致団結、これが自民党で、他党になくて、それで私たちは政権をお任せいただいていると思っているので、喧々諤々やって、決まったらその人のもとで一致団結、この人のために働いていくというのが一番いいと思っています

蓮見直樹アナウンサー:
総裁選は党員・党友以外は投票できないわけですけれども、県民にはどのあたり注目してほしいですか?

井林辰憲 議員:
やはり、それぞれの候補が何を言うのかということと自県の党員の結果を出しますので、その肌感覚を見てもらいたいですし、「別に自民党を応援しなくてもいいから、総裁選に投票できるから党員になったら?」と僕も言っていますので、「嫌な人は落とせるよ」とも言っていますので、公職選挙法関係ないので、そういう意味でも参加する権利はみなさんにありますので、幅広く参加してほしいと思っています。

蓮見直樹アナウンサー:
最終的に何人くらいの総裁選になりそうですか?

井林辰憲 議員:
聞いている限りだと8人~9人になるのではないかと思います

蓮見直樹アナウンサー:
前回は4人でしたから人数の多い総裁選にはなりますよね?

井林辰憲 議員:
今までで5人が最高だと思うので、私が記憶している限り、それ以上となるとかなり多いですよね。

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