立憲民主党の吉田晴美衆院議員(52)=衆院東京8区、1期=が党代表選(9月7日告示、23日投開票)に立候補する意欲を固めた。26日に党が開く立候補予定者向け事前説明会には、吉田氏を支援する若手議員が出席する。 吉田氏は本紙の取材に「自らが立候補することで若手、女性の視点の議論を喚起したい。1期生でも代表選に手を挙げられることを示し、自由で闊達な多様性を体現する党であってほしい。物価高、年金不安で国民の生活は苦しくなっている。経済再建と手厚い社会保障で『人』から始まる日本再生を訴えたい」と話した。

衆院本会議で質問する立憲民主党の吉田晴美氏=2023年10月24日(朝倉豊撮影)

今後、中堅・若手に支援を働きかけるが、立候補に必要な国会議員20人の推薦人が集まるめどは現時点ではついていない。 同時期にある自民党総裁選では、複数の若手候補や女性候補が立候補する見通し。一方、立民代表選ではこれまでに出馬表明したり名前が取り沙汰されたりしているのは男性のベテラン議員ばかりで、「このままでは『人材不足』との印象が強まってしまう」(立民若手)との懸念が強まっている。(佐藤裕介)

◆自民総裁選には女性や中堅も名乗り

立憲民主党代表選への出馬を表明する枝野幸男前代表=8月21日、国会内で(坂本亜由理撮影)

自民党総裁選には、女性候補では高市早苗経済安全保障担当相(63)や上川陽子外相(71)が立候補に意欲を示している。中堅では、既に出馬表明した小林鷹之前経済安全保障相(49)のほか、小泉進次郎元環境相(43)らの名前も挙がっている。

◆「このままでは刷新感で自民に見劣り」 

これに対し、立民代表選は既に名乗りを上げている枝野幸男前代表(60)=衆院10期=と、週内にも出馬表明を予定している野田佳彦元首相(67)=衆院9期=、再選出馬の意向を固めている泉健太代表(50)=衆院8期=を軸とした戦いになる見通し。このほか、馬淵澄夫元国土交通相(64)=衆院7期=や江田憲司元代表代行(68)=衆院7期=の名前も取り沙汰されているが、党内には「このままでは刷新感で自民に見劣りしてしまう」(中堅)との懸念も広がりつつある。

日本維新の会の勉強会に講師として出席し、あいさつする立憲民主党の野田佳彦元首相=8月23日午後、国会内で(佐藤哲紀撮影)

立民は党のホームページでも「政治にチャレンジする女性を応援」する理念を掲げている。野田氏を支える中堅議員は「女性の候補者も出てくれれば党にとっては素晴らしいことだ」と話す。 中堅・若手のグループ「直諫の会」が野田氏に出馬要請したことに対しては、他党から「若手は野田さんに立候補要請するんじゃなくて、自分たちが出ればいいのに」(国民民主党の玉木雄一郎代表)との声も上がる。

◆136人の党で推薦人20人はハードル高く

立候補の壁が高いのは、党所属国会議員20人の推薦人が必要とされていることに一因がある。自民党総裁選も同じ要件だが、自民の国会議員367人に対して、立民は136人に過ぎず、「多様な候補者を擁立するにはハードルが高すぎる」(立民若手)との声が上がる。

立憲民主党の地方議員有志から代表選への出馬要請を受けた後、報道陣の取材に応じる泉健太代表=8月26日午前、国会内で(佐藤哲紀撮影)

女性候補の擁立を巡っては、菅直人元首相が22日、自身が率いるグループ「国のかたち研究会」の会合で、2021年の前回選にも出馬した西村智奈美代表代行(57)に出馬を要請したが、西村氏は明言を避けたという。 知名度の高い辻元清美参院議員(64)に期待する声も一部にある。だが、党内最大グループ「サンクチュアリ」関係者は「政権交代を目指す野党第一党の党首が参院議員というわけにはいかない」と指摘する。 このほか、中堅・若手としては小川淳也前政調会長(53)の名前も取り沙汰されている。


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