林芳正官房長官は22日午前の記者会見で、亜細亜大の范雲濤教授(61)=中国籍=が昨年2月に中国に一時帰国し、失踪したことについて「関心をもって注視しているが、事柄の性質上これ以上のコメントは差し控えたい」と話すにとどめた。消息を絶つ前に中国で当局者の接触を受けており、拘束された懸念がある。
今年3月には、神戸学院大の胡士雲教授も昨年夏に中国に一時帰国して消息不明になったことが判明。「スパイ」摘発を強化する中国当局が日本在住の中国人研究者を標的にしている可能性があるため、林氏は「教授は長年にわたり我が国の大学で教職に就かれている方。教授の人権にかかり得る事案」とも述べた。
中国は昨年7月に改正反スパイ法を施行し、今年5月には改正国家秘密保護法を施行する。【鈴木悟】
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