木村知事は８月２５日から２７日までの３日間、知事就任後初めて、台湾を訪問しました。半導体製造大手・ＴＳＭＣの本社や台湾政府などを訪れ、意見を交わしました。

知事就任後、初めて台湾を訪れた木村知事。台湾北部・新竹市に本社を置く半導体製造大手・ＴＳＭＣの本社を訪問しました。

【岡崎 宣彰 記者】
「こちらは新竹市のＴＳＭＣです。現在、木村知事がＴＳＭＣの幹部と会談を行っています」

ＴＳＭＣ幹部との会談は非公開で行われ、木村知事は会談後、報道陣の取材に応じました。

【木村 知事】
「第３工場の建設について検討願いたいと申し上げた」

木村 知事は第１・第２工場の円滑な運営を支援すると共に、第３工場の誘致する考えをＴＳＭＣに直接伝えたということです。

また、木村知事は課題となっている渋滞対策や地下水保全についても「全力で取り組む」と話し、ＴＳＭＣも「熊本での地下水涵養に力を注ぎ、産学連携を積極的かつ継続的に行う」と約束しました。

新竹サイエンスパークに立ち並ぶ、ＴＳＭＣの工場。

ＴＳＣＭの本社がある新竹サイエンスパークは、４０年以上前に台湾政府が始めた政策の一つで、約１４７０ヘクタールの広大な敷地に、６００社を超える企業が集まります。

木村知事もマニュフェストに『くまもと版サイエンスパーク構想』を掲げています。

木村知事は新竹サイエンスパークの管理局を訪れ、意見を交わしました。

【陳 宗權 局長】
「今後、ＴＳＭＣの熊本進出で半導体産業の川上、川中、川下の企業も進出することになり、これから九州の半導体クラスターもつくられると思う」

また、陳 局長はサイエンスパークでの半導体産業の発展の最大の理由に『産学連携』を挙げます。

新竹サイエンスパークにはＴＳＭＣのような企業だけでなく、研究機関や大学も立ち並んでいます。

木村知事は先端技術の研究開発を行う工業技術研究院や、ＴＳＭＣと関係が深く、多くの人材を輩出している陽明交通大学を訪れ、意見を交わしました。

サイエンスパークを見て回った木村知事は「スピード感を持ってどこまで今の熊本でできるかは、課題がある」とした上で、次のように期待を寄せました。

【木村 知事】
「単に工場に来てもらうだけではなく、次の産業がどんどん出ていき、地元の企業が新しいビジネスチャンスをつかめるような場をつくるのが「夢があるいい話だ」とサイエンスパークを見て思った。官民挙げていい流れができないかと思っている」

また、木村知事は日本の経済産業省に当たる台湾政府の経済部を訪問。

面会した郭 智輝 経済部長も「台湾の先行事例を教えたい。サイエンスパークができれば発展するだろう」と話したということです。

【木村知事】
「台湾に来て「すごいな」と思ったのは産学連携が密に進んでいること。それが新しい産業や研究開発、学生が増えることにつながる。工場を誘致するだけでなくそれらが重なると素晴らしい街になる。現地に来て痛感した。実現できるように研究を重ねたい」

企業だけでなく、大学や研究機関が一体となることで成長を続ける台湾の半導体産業。

ＴＳＭＣの進出をきっかけに、熊本での『産学連携』や次の産業を生み出せるかが経済発展のカギになりそうです。

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