【石垣】29日に開かれた石垣市議会の9月定例会で、友寄永三市議(自由民主石垣)が戦時中の日本軍の「慰安婦」を巡り、「民間の慰安婦はいた。従軍慰安婦はいなかった。性奴隷ではなく、しっかりお金をいただいた方たちはいた」と発言した。

 市議会ではこの日、NHKのラジオ国際放送などの中国語ニュースで中国籍の外部スタッフが尖閣諸島を「中国の領土」などと原稿にはない発言をした問題について、抗議決議案などが審議されていた。このスタッフは「慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった」などと英語で発言したことも判明しており、友寄市議は賛成討論の中で反論した。

 友寄市議は本紙取材に「慰安婦は本人たちの意思で軍に付いていった。性病の意味では軍の管理があるが、慰安所は民間が運営した」と答えた。

 1993年に当時の河野洋平官房長官が発表した談話では「慰安所の設置、管理および慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」とし、強制を認めて謝罪している。

 慰安婦問題に詳しい沖縄大学の洪〓伸准教授は「『慰安婦か娼婦(しょうふ)か』を問う差別的な言説だ。政治家としての基礎的な見識を欠いている」と批判。沖縄の慰安所調査に携わった高里鈴代さんは「日本の戦争責任を認めようとしない姿勢はおかしい」と指摘した。

 抗議決議と意見書の両案は賛成多数(賛成11、反対8、欠席1)で可決された。意見書では「虚偽内容がわが国の国際放送から放送されたことは看過できない」とし、総務省とNHKに再発防止を求めた。(八重山支局・矢野悠希)

※(注=〓はへんが「王」でつくりが「允」)

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