総理大臣として9年ぶりにアメリカを訪れている岸田総理大臣は日本時間の11日未明、バイデン大統領と会談し、自衛隊とアメリカ軍の指揮・統制の向上など、防衛協力を深めるとともに、経済安全保障や宇宙など、幅広い分野での連携強化を確認しました。
会談のあとの共同記者会見で岸田総理大臣は「われわれのパートナーシップで、日米、インド太平洋、そして世界の未来を守り、いっそう豊かなものにしていく」と述べました。
岸田総理大臣はこのあと、12日未明には、議会上下両院の合同会議で、英語で演説に臨みます。
演説では、ロシアや中国などの行動によって自由や民主主義に基づく国際秩序が脅かされているとして、秩序を守るため、アメリカだけでなく日本もより大きな責任を担っていく姿勢を強調する方針です。
また、ことし秋の大統領選挙を控えて、アメリカ国内の政治的分断が深まっていることも念頭に、日米の結束に向けて、超党派の協力の必要性にも言及する見通しです。
林官房長官 “日米両国がなすべきこと伝える機会に”
林官房長官は午後の記者会見で、日本時間12日未明に行われる岸田総理大臣によるアメリカ議会での演説について、「国際社会が歴史的にも大きな転換点を迎える中、日米両国はいかなる未来を次世代に残そうとするのか、そのために両国がなすべきことは何なのかについて、アメリカの議会や国民、そして世界に伝える機会になる」と述べました。
また、12日に行われる、日米両国にフィリピンも加えた3か国の首脳会談について、「日米同盟を基軸としてフィリピンなどの同志国と幅広い分野で協力を深化することが、地域の平和と繁栄を維持するうえで不可欠だ。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持し、強化すべく、3か国の連携を一層強化していく」と述べました。
中国外務省 南シナ海情勢めぐり日米比をけん制し反発
日本とアメリカ、フィリピンの3か国の首脳会談が開かれるのを前に、中国外務省の毛寧報道官は11日の記者会見で、「中国は南シナ海の島々と周辺の海域に争う余地のない主権を有する。海洋をめぐる問題については、引き続き対話と協議を通じて適切に処理し、南シナ海の平和と安定をともに守っていきたい」と述べ、議題の1つになる見通しの南シナ海情勢をめぐって3か国をけん制しました。
そして「中国の領土主権と海洋権益を侵すことは許されず、合法的な権利を守る決意は揺るがない」と述べ、反発しました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。