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 「次の質問どうぞ」「所管外だ」の連発やSNSでのブロック問題など、歯に衣着せぬもの言いで“異端児”と表されてきた河野太郎デジタル担当大臣。発言の真意について河野氏本人が語った。

【映像】バランスボールで会見する河野氏(実際の様子)

 2018年12月の記者会見で、北方領土問題をめぐりロシアとの交渉方針などを記者たちから問われ、4回にわたり「次の質問どうぞ」を連発。2020年9月の記者会見では「深夜の新閣僚会見」も率先して拒否。「全例主義、危篤権、権威主義の最たるものだと思いますので、こんなものさっさとやめたらいいと思います」と発言。

 また、2022年9月には世界初のバランスボールを使っての記者会見を実施。2023年2月の衆院予算委員会では12回にわたり「所管外だ」と答えた。こうした姿勢に野党からは不誠実だと批判する声があがっていた。さらに、SNSでの自身への誹謗中傷や反対意見には「ブロックする」と発言し、物議を醸した。

 これらの言動や行動に対し河野氏は「(バランスボールは)閣議後の定例記者会見なんですけど、腰が悪いので、椅子に座っていると腰が重くなってきてしまうので、大臣室は大臣の椅子ではなくバランスボールを使っている。すると(視聴者から)『酔いそう』と言われ、会見のバランスボールはこれ1回きりで禁止になった。

 深夜の深閣僚会見拒否については「組閣が終わって、宮中で陛下から認証していただいて、戻ってきて閣議をやった後、1人ずつ順番にやる。1人20分やったとして10番目の人は200分後。3時間ずっと、夜なのに待っている。大臣の番記者がやるから、記者も変わる」とした上で「こんなところでみんなで待っているのは馬鹿馬鹿しい。次の日に自分の役所でやればいい。寝る前と寝た後とでは何も変わらないんだから。だから『帰ります』と言って帰った。それで、次の日の朝やりました」と振り返った。

 “ブロック問題”には「政治家、芸能人は誹謗中傷していいんだ、としてしまうと、この間のオリンピック選手のように誹謗中傷された問題も出てきて、一般の方もSNSで誹謗されて怖いという事態になる」としつつ「手っ取り早いのは、誹謗中傷する人はブロックして見なければいい。ブロックをダメだとしてしまうと、 一般の方もブロックしてはいけないみたいに思われるのがすごく問題だと思っている。 このネットの誹謗中傷というのは世の中的にもっとしっかり対応する必要がある。これが原因で亡くなられた方もいらっしゃるぐらいですから、社会としてちゃんとやらないとダメだと思う」と自身の考えを述べた。

 これに対し、タレントのでか美ちゃんは「ブロックは誰でもカジュアルにしていいと思うが、河野氏のような政治家の方は、国民の意見を聞く場にもしていて、プライベートなアカウントではない。誹謗中傷はブロックしていいが、誹謗中傷と批判の差はすごく難しい」「馬鹿とか呼び捨てが入っているものの中に、政策に対する批判が入ってる場合の線引きをどうされているのかは気になっていた」とコメント。

 河野氏は「なるべく反対意見のものは残しておいた方がいいと思っていて、今も総裁選挙で政策発表が台風で遅れてしまったので、少しずつ出しているが、賛成意見と反対意見があり、それは自由にやってもらった方がいいし、反対意見の引っかかっているところわかれば、その対応を考えられるメリットがある」としつつ「ただ、批判をブロックしているじゃないかと言っている人の多くは、誹謗中傷している人と同じ人。それは違うだろうと思っている」と述べた。

 「次の質問どうぞ」「所管外だ」の発言は「かなり印象操作、切り取られている」と発言。

 「『次の質問どうぞ』は、外務省の時に 日露の平和条約交渉をやったが、交渉ですから中身は喋れない。中身は喋れませんと記者には伝えてあるが、記者は上司から聞けと言われているので、とりあえず聞く。この日は、外務省的に発表したい大事な内容があったので、その質問をたくさんしてくださいとしていた。(日露の交渉方針については)答えられないと言ってあったので、『次の質問どうぞ』と順番にやって。だから、番記者の方は分かっていた。それが『いくらなんでも失礼だろう』と。その後、炎上してしまった」と経緯を説明しつつ「そこは『日露については答弁できません』と言えばよかった」と発言について反省の意を述べた。

 「所管外だ」の発言には「国会というのは、委員会ごとに担当の役所があって、外務大臣が外交について答えるのがルール。前の外務大臣が外務大臣でない大臣をやっている時は、現在の外務大臣が答える。それは前の外務大臣だからといって自分が答えてしまったら、その時から方針が変わっているかもしれないから、その時の大臣が答えるルールなのに、全然違う委員会で、前の外務大臣だから答えろと言われたが、『所管外だから答えられません』としか言いようがない」とした。

 加えて「私がやっていた規制行政改革は、内閣委員会。その後、デジタル担当大臣になって、『地域・こども・デジタル特別委員会』が出来て、デジタルとデジタル行政改革はこっち、規制改革・行政改革は内閣委員会になった。ひとつにしてくだいとお願いしたんですけど、野党の方で分けたいと。分けてもいいですけど、別の所管のものを聞かないよう徹底してくださいとお願いしていたにもかかわらず、わかっていて聞いてくる。答えてしまうと、前例ができたと言って、(それぞれが)答えなくてはいけなくなるので『所管外です』としか言いようがない。それを切り取って、答えてないじゃないかとなった。その野党議員には後でかなり厳しく注意が入った」と説明した。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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