8月から地震や台風などの自然災害が全国各地で相次いでいます。

地震や豪雨災害を経験した防災士が命や暮らしを守るために備えの大切さを呼びかけています。

防災士 柳原志保さん
「♪やろう、やろう みんなで」

歌う防災士「しほママ」の愛称で活動する柳原志保さんです。

日本防災士会長崎県支部が8月、諫早市で開いた研修会で東日本大震災と熊本地震、そして熊本豪雨に遭った自らの経験をもとに備えの大切さを伝えました。

柳原志保さん
「(備えは)どんなにしても切りがない。でも、あの時に失われた命、あの時に困ったこと、これはやっぱり忘れないでそこから学んで何か行動する。災いを忘れない『忘災』」

「防災の日」の1日に自衛隊や気象台などおよそ10の機関がもしもの備えを呼びかけました。

農林水産省は飲み水と調理用として1人あたり1日3リットルの水を備えるよう推奨しています。

長崎市の給水袋は子供も背負いやすいリュック式です。

両手が空くため能登半島地震の被災地でも重宝されました。

一方、大規模災害が起きると全てを公的な機関だけで助けるのには限界があります。

長崎市防災危機管理室 廣田公平 室長
「まずはご自身で身の回り、災害が起きた時どうしようか、改めて考えて頂くことが大事」

民間企業との連携で防災力を向上する取り組みも広がっています。

長崎市は防災の日にあわせて60の事業者が参加する長崎県キッチンカー協会と協定を結びました。

長崎県キッチンカー協会 安井忠行 代表理事
「車が通るところならどこでも行ける、こういうところをいかして色んな場所に温かいものを届けることができるのが強み」

温かい食事の提供は避難生活の環境改善や被災者のストレス解消にもつながるとされています。

大規模な災害が発生した際に調理設備がある車を避難所などに派遣し、炊き出しや物資の供給などを行う予定です。

避難先では心のケアも大切です。

赤ちゃんや子供の不安を少しでも和らげるアイテムとして、タオルハンカチとヘアゴムでつくる「タオルベア」があります。

体験した人は
「特別な材料が要らないのがいい」

諫早市民
「災害の時って、衣食住の確保しか自分の中では(頭に)なかった」「なるほど、と思って」

防災士 柳原志保さん
「備えの入り口って色々な入口があるので、これが正解とか正しいとかない」「起震車で揺れを体験したり、タオルでベアを作ったりとか体験することでより自分ごとになると思う」「長崎の皆さんもやっておけば良かった、って後悔だけはしないでほしい」

自宅や職場、旅先など災害はいつどこで起きるか分かりません。

防災科学技術研究所などが公開しているサイトは位置情報を入力すると、今後大きな地震が発生する確率やライフラインが復旧するまでの目安が示されます。

柳原さんはこうしたものも活用しながら「リスクを知って備えてほしい」と話しています。

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