当選が決まり、支援者から花束を贈られ笑顔の小池友妃子氏=愛知県碧南市で2024年4月21日午後11時15分、真貝恒平撮影

 21日投開票された愛知県碧南市長選は、無所属新人の元市議、小池友妃子氏(54)が初当選した。愛知県内で女性首長が誕生するのは昨年の長久手市に続いて2市目となる。一方、現職の禰宜田政信氏(72)は、碧南市長では初となる5選はならなかった。

 小池氏は選挙戦で「子どもたちが夢や希望を持てる社会をつくる」と主張。保育園から中学までの給食費完全無償化など、子育てや教育に関する施策を公約の軸に掲げ、子育て世代や無党派層を中心に支持を広げた。

 当選から一夜明けた22日、小池氏は取材に「市議時代と同じように、これからも市民と対話しながら街づくりを進めたい」と抱負を語った。【町田結子】

禰宜田氏、旧統一教会との関係沈黙貫く

落選後に報道陣の質問に応じる禰宜田政信氏=愛知県碧南市で2024年4月21日午後11時0分、真貝恒平撮影

 禰宜田氏は落選が決まった後、敗因について報道陣に問われると「16年やると市民の皆さんも飽きてくる。新しい風がほしいと思ったのだと判断している」と多選への批判があったと分析。その一方、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題についても「ある程度、影響したでしょう」と語った。

 過去3回の選挙は無投票だった禰宜田氏。だが、今回は旧統一教会との関係を巡り、説明責任を求める声が上がり、選挙の争点の一つとなった。

 禰宜田氏は旧統一教会の関連団体の役職を歴任してきたことが2年前に明らかとなった。しかし、「個人の政治活動の一環。公務上の関係は一切ない」とし、教団との関係について沈黙を貫いてきた。

北海道大大学院の桜井義秀教授=本人提供

 こうした姿勢に、北海道大大学院の桜井義秀教授(宗教社会学)は「政治により透明性が求められる今だからこそ、権力を持つ人間はどのような思想・信条を持っているのかを明白にしないといけない。決して個人の問題ではなく、説明するのは行政トップとしての責務だった」と語る。

 2022年7月、安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件をきっかけにクローズアップされた教団と政治の問題。禰宜田氏は「事件がなければ当然クローズアップされなかった。非常にやりにくい選挙戦だった」と振り返った。【真貝恒平】

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